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敷地面積と土地面積の違いとは?不動産資料の面積表示をわかりやすく解説

〈 不動産のノウハウ 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。




【 はじめに 】


土地や一戸建ての物件資料を見ていると、

「土地面積100㎡」
「敷地面積100㎡」

といった表示をよく見かけます。

100㎡と聞くと、その土地すべてを使って家を建てられるように思いますよね。

しかし、実際には土地面積が100㎡あっても、
100㎡すべてを自由に建物や駐車場として利用できるとは限りません。

土地の中に私道部分が含まれていたり、道路の幅を確保するためにセットバックが必要だったりすると、
建築に利用できる面積が小さくなることがあります。

また、書類によって土地の面積が違っている場合もあります。

例えば、登記事項証明書には100㎡と記載されているのに、
測量図では102㎡、建築計画概要書では97㎡と書かれているケースです。

初めて見ると、

「どの面積が正しいの?」
「セットバック部分は土地面積に含まれる?」
「敷地面積から建てられる家の大きさは分かる?」

と疑問に感じると思います。

さらに、建物を建てる土地の範囲を示す敷地面積の他にも、
建築面積、床面積、延べ面積など、似たような言葉が数多くあります。

これらの違いを知らないまま土地を購入すると、
「思っていた大きさの家が建てられなかった」ということにもなりかねません。

土地や一戸建てを売却する場合も、面積や境界が不明確なままでは、
買主への説明や契約条件の調整に時間がかかる可能性があります。

この記事では、敷地面積の基本的な意味から、
建築計画概要書に記載される面積や用語について分かりやすく解説します。




 

1. 敷地面積とは?



敷地面積とは、簡単にいうと、
一つの建物または用途上切り離せない複数の建物が使用する土地の面積です。

一般的な一戸建てであれば、門や塀で囲まれた土地のうち、
住宅、庭、駐車場、通路などとして一体的に使用している土地全体が敷地となります。

敷地面積は、土地の傾斜に沿って測るのではなく、原則として水平面積で考えます。

例えば、傾斜地にある土地では、斜面に沿った実際の表面積よりも、
真上から見たときの水平面積の方が小さくなります。

不動産広告や建築確認では、一般的に平方メートルで表示されます。


土地面積と敷地面積は同じ?

一般的な一戸建ての物件資料では、
「土地面積」と「敷地面積」がほぼ同じ意味で使われることがあります。

ただし、厳密には使われる場面が異なります。

土地面積は、登記や売買の対象となる土地の面積を表すときによく使われます。

一方の敷地面積は、建物を建築するときに、その建物の敷地として扱う範囲を表す用語です。

例えば、2筆の土地をまとめて一つの住宅敷地として利用する場合、
登記上は2筆に分かれていても、建築確認では合計面積を一つの敷地面積として扱うことがあります。

反対に、登記上は一つの土地でも、その一部を建築敷地から除外する場合は、
登記面積と建築確認上の敷地面積が異なる可能性があります。



 2. 公簿面積とは?



公簿面積とは、法務局で管理されている登記事項証明書、登記簿に記載された土地面積です。

不動産の販売資料で、

土地面積:100.00㎡(公簿)

と記載されている場合は、登記簿に100.00㎡と記録されていることを意味します。

登記簿の面積は「地積」と表記されます。

公簿面積は売買対象を確認するうえで重要ですが、
現地を現在の測量技術で測った面積と必ず一致するわけではありません。

特に、昔に測量された土地では、
当時の測量方法や土地の管理状況などにより、実際の面積との差が生じていることがあります。


公簿売買とは?

公簿売買とは、登記簿に記載された面積を基準として売買代金を決める方法です。

公簿売買では、売買後に測量を行い、登記簿面積と実測面積に差があったとしても、
原則としてその差による売買代金の精算を行いません。

例えば、登記簿上100㎡の土地を2,000万円で売買した後、
実際には98㎡だったことが分かった場合でも、契約内容によっては2㎡分の代金を減額しないという考え方です。

ただし、面積差の扱いは売買契約書の内容によって決まります。

公簿売買であるかどうか、面積差を精算しない特約があるかを確認する必要があります。

不動産適正取引推進機構も、公簿売買を登記簿上の面積で代金を確定し、
後に実測との差が生じても精算しない契約方式と説明しています。



 

3. 実測面積とは?



実測面積とは、土地家屋調査士などが現地を測量して求めた土地面積です。

不動産資料に、

土地面積:102.35㎡(実測)

と書かれている場合は、測量によって確認された面積が102.35㎡であることを意味します。

実測面積を確認するためには、測量図を見ます。

主な測量図には、次のようなものがあります。

* 確定測量図
* 現況測量図
* 地積測量図

似た言葉ですが、それぞれ意味が異なります。


確定測量図

確定測量図とは、
隣接する土地の所有者や道路管理者などと境界を確認したうえで作成する測量図です。

売却する土地の境界と面積を明確にしやすいため、土地売買では重要な資料になります。

ただし、隣接所有者との立会いや官公署との協議が必要になることがあり、
完成までに時間がかかる場合があります。


現況測量図

現況測量図とは、
塀、境界標、道路など、現地に存在する状況を基準に測量した図面です。

隣接所有者との境界確認まで完了しているとは限らないため、確定測量図と同じものではありません。

「測量図があるから境界も確定している」とは限らない点に注意が必要です。


地積測量図

地積測量図は、土地の分筆や地積更正などの登記を行った際に、法務局へ提出される図面です。

法務局で取得できる場合がありますが、古い土地では備え付けられていないこともあります。

また、地積測量図があっても、作成年代や測量精度によっては、
現在の境界状況をそのまま表していない可能性があります。



 

4. 公簿面積と実測面積が違うのはなぜ?



公簿面積と実測面積が異なる主な理由として、次のようなものがあります。

* 登記された時期が古い
* 過去の測量精度が現在と異なる
* 境界標が移動または紛失している
* 道路整備などで土地の利用状況が変化した
* 分筆や合筆後の登記が正確に反映されていない
* ブロック塀と法的な境界線が一致していない
* 登記面積の訂正が行われていない

数センチの境界差でも、奥行きの長い土地では面積差が大きくなることがあります。

特に、坪単価の高い地域では、わずかな面積差が売買価格に影響する可能性があります。

土地を売却するときは、登記事項証明書の地積だけで判断せず、
測量図の有無、境界標の位置、隣接所有者との境界確認状況も確認しておくことが大切です。





5. セットバック部分は敷地面積に含まれる?



建築基準法上の道路には、原則として一定の幅員が求められます。

幅員4m未満の道路でも、建築基準法上の道路として扱われる場合がありますが、
そのような道路に接する土地では、建て替え時に道路中心線から原則2m後退する必要が生じることがあります。

この後退をセットバックといいます。

セットバック部分は、所有権としては売主や買主の土地に残ることがあります。

しかし、道路として扱われる部分には、原則として建物や門、塀などを設置できません。

また、建ぺい率や容積率を計算する際の敷地面積から、道路後退部分を除外して計算することがあります。

例えば、登記面積100㎡の土地に5㎡のセットバック部分がある場合、
建築上の有効な敷地面積を95㎡として建ぺい率や容積率を計算するケースがあります。

そのため、物件資料に100㎡と記載されていても、100㎡すべてを自由に建築に利用できるとは限りません。




6. 私道負担とは?



私道負担とは、売買対象となる土地の所有者が、
道路として使用されている土地の全部または一部を所有している状態です。

物件資料では、次のように記載されることがあります。

①土地面積:100㎡ 別途私道負担20㎡あり

または、

②土地面積:120㎡(うち私道負担20㎡

この2つは意味が異なります。

前者は、宅地部分100㎡とは別に私道20㎡を所有している表記です。

後者は、全体120㎡の中に私道部分20㎡が含まれているため、
宅地として利用できる部分はおおむね100㎡という意味になります。

私道負担がある物件では、面積だけでなく、次の点も確認する必要があります。

* 私道の所有者
* 単独所有か共有持分か
* 通行や掘削の承諾が必要か
* 道路の維持管理費を誰が負担するか
* 上下水道やガス管が埋設されているか
* 建築基準法上の道路に該当するか

私道を所有していても、住宅を建てる敷地として自由に使えるとは限りません。

土地面積が広く見えても、私道負担部分を除くと、
実際に建物や庭として利用できる面積が小さくなる場合があります。




7. 建築面積とは?



建築計画概要書には、敷地面積とともに建築面積が記載されています。

建築面積とは、建物を真上から見たときに、地面へ投影される面積です。

一般的には、建物の1階部分の面積に近くなります。

ただし、2階が1階より張り出している場合は、
その張り出し部分も建築面積に含まれることがあります。


建築面積と1階床面積は同じ?

建築面積と1階床面積は、近い数字になることがありますが、必ず同じではありません。

建築面積は建物を真上から見た水平投影面積であるのに対し、
床面積は壁などで囲まれた各階の床の面積です。

例えば、玄関ポーチ、庇、吹きさらしの部分などは、
条件によって建築面積には含まれても、床面積には含まれない場合があります。



8. 床面積とは?



床面積とは、建物の各階にある床の面積です。

建築計画概要書には、次のように階ごとの床面積が記載されます。

| 階  |  床面積 |

| 1階 |  55㎡ |
| 2階 |  45㎡ |
| 合計 | 100㎡ |

この場合、1階床面積が55㎡、2階床面積が45㎡で、合計100㎡となります。

床面積は、原則として壁や柱の中心線で囲まれた部分を基準に計算します。

そのため、実際に室内で使える内側の面積より、
建築基準法上の床面積の方が少し大きくなることがあります。



9. 延べ面積と延床面積は何が違う?



延べ面積とは、建物の各階の床面積を合計した面積です。

「延床面積」と表記されることもあり、
一般的な住宅資料ではほぼ同じ意味で使われています。

例えば、

 1階:60㎡
 2階:50㎡

の場合、延べ面積は110㎡です。

ただし、建築計画概要書では、

* 延べ面積
* 容積率算定対象面積

が別々に記載されていることがあります。

これは、車庫、地下室、一定の収納部分などについて、
床面積には含まれても、一定の条件で容積率計算から除外される場合があるためです。

つまり、建物全体の延べ面積と、容積率計算に使用する延べ面積が必ず同じとは限りません。



10. 建ぺい率とは?



建ぺい率とは、
敷地面積に対して、どのくらいの建築面積の建物を建てられるかを示す割合です。

計算式は次のとおりです。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100

例えば、敷地面積100㎡、建ぺい率60%の土地では、
原則として建築面積60㎡までの建物を建築できます

100㎡×60%=60㎡

ここでいう60㎡は、建物全体の床面積ではなく、真上から見た建物の広がりである建築面積です。

建築基準法では、建築面積の敷地面積に対する割合を建ぺい率として規制しています。

角地、防火地域内の耐火建築物など
一定の条件を満たす場合は建ぺい率が緩和されることがあります。

ただし、緩和の適用は地域や建物条件によって異なるため、土地購入前には行政や建築士への確認が必要です。



11. 容積率とは?



容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ面積の割合です。

計算式は次のとおりです。

容積率=延べ面積÷敷地面積×100

例えば、敷地面積100㎡、容積率200%の土地では、
原則として容積率算定上の延べ面積200㎡まで建築できます。

100㎡×200%=200㎡

国土交通省も、容積率を建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合として説明しています。

ただし、指定容積率が200%であっても、必ず200%まで建築できるとは限りません。

前面道路の幅が一定未満の場合は、道路幅員による容積率制限を受けることがあります。

また、高さ制限、斜線制限、日影規制、駐車スペース、建物形状などによっても、
実際に建築できる床面積は小さくなる可能性があります。




12. 建築計画概要書で確認できる主な項目



建築計画概要書とは、建築確認を受けた建物について、
建築主、敷地、構造、用途、面積などの概要を記載した書類です。

一般的には、自治体の建築指導担当窓口などで閲覧や写しの交付を受けられる場合があります。

建築計画概要書には、主に次のような内容が記載されています。

* 建築主
* 設計者
* 工事監理者
* 建築場所
* 敷地面積
* 建築面積
* 延べ面積
* 容積率算定対象面積
* 建ぺい率
* 容積率
* 建物用途
* 建物構造
* 階数
* 高さ
* 前面道路
* 建築確認番号
* 建築確認年月日

中古住宅を購入するときや売却するときは、
現在の建物と建築計画概要書の内容が一致しているかを確認することがあります。

建築後に増築されている場合、概要書の面積と現在の建物面積が異なる可能性があります。

ただし、概要書と数字が異なるだけで、直ちに違法と判断できるわけではありません。

登記、建築確認、増築履歴、現況測量などを確認し、必要に応じて建築士や行政へ相談することが大切です。




13. 土地を購入・売却するときに確認したい面積のチェックポイント



土地や一戸建ての購入・売却では、
物件資料に記載された面積だけで判断せず、次の点を確認しましょう。


購入するとき

* 面積は公簿か実測か
* 確定測量図があるか
* 境界標が確認できるか
* 私道負担が含まれているか
* セットバックが必要か
* 建築確認上の敷地面積はいくらか
* 建ぺい率と容積率はいくらか
* 前面道路による容積率制限があるか

土地が広く見えても、セットバック、私道、法面などを除くと、
実際に利用しやすい面積が小さいことがあります。

土地を購入する場合は、
契約前に希望する建物の配置図や簡易プランを作成してもらうと、
計画できる建物の大きさを把握しやすくなります。


売却するとき

* 登記面積と実測面積に差がないか
* 測量図が残っているか
* 隣地との境界確認ができているか
* 越境物がないか
* 建築計画概要書を取得できるか
* 増築や未登記部分がないか
* 公簿売買か実測売買か
* 面積差を精算するか

面積や境界が不明確なまま販売すると、
契約条件の調整に時間がかかったり、買主から値下げを求められたりする可能性があります。




【 まとめ 】



敷地面積とは、建物を建てるために一体として使う土地の面積です。

ただし、不動産や建築の書類には、似たような面積の言葉がいくつもあります。

◯公簿面積:登記簿に記載された土地面積
◯実測面積:実際に測量して確認した土地面積
◯敷地面積:建物の敷地として扱う土地面積
◯建築面積:建物を真上から見たときの面積
◯延べ面積:各階の床面積を合計した面積

特に注意したいのは、
物件資料に「土地100㎡」と書かれていても、100㎡すべてを自由に使えるとは限らないことです。

私道負担やセットバック部分が含まれている場合は、
実際に建築や駐車場として使える面積が小さくなることがあります。

土地や一戸建てを購入・売却するときは、次の点を確認しましょう。

* 面積は公簿か実測か
* 私道負担が含まれているか
* セットバックが必要か
* 測量図や境界標があるか
* 建ぺい率と容積率はいくらか
* 希望する建物を建てられるか

土地の広さは、数字だけでは判断できません。

登記事項証明書、測量図、建築計画概要書などを確認し、
「何を基準にした面積なのか」を理解することが、土地選びや不動産売却で失敗しないための大切なポイントです。



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