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寝屋川市で『空き家税』導入へ?対象となる空き家・税額などを解説

〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。





【 はじめに 】



こんにちは。

今回読んだ雑誌の記事で、気になったテーマがありました。
それが、いわゆる「空き家税」です。

空き家を所有している方からすると、

「固定資産税を払っているのに、さらに税金がかかるの?」
「相続した実家をそのままにしているけど対象になる?」
「売りに出している空き家も課税される?」

など、気になることがたくさんありますよね。

今回参考にした雑誌記事では、寝屋川市が全国的にも珍しい形で、
空き家の市場流通を促すことを目的とした税制度の導入を進めていることが紹介されています。

記事内では、寝屋川市にある空き家のうち、
賃貸や売却に出ている住宅を除いた空き家に着目し、
新たな税制度によって「そのまま持ち続ける」状態から、売却・賃貸・活用へ動かすことを狙っていると説明されています。

そこで今回は、雑誌記事のテーマをもとに、
寝屋川市が検討している「空き家流通促進税」とは何なのか、
ぜ導入するのかまで、不動産初心者の私なりに詳しく整理していきます。





 

1.「空き家税」とは?



「空き家税」という名前の全国共通の税金があるわけではありません。

現在話題になっている空き家税は、自治体が独自に設ける法定外税の一種です。

寝屋川市が導入を進めている制度の名称は、
「(仮称)寝屋川市空き家流通促進税」です。

つまり、国が全国一律で課税する税金ではなく、
寝屋川市が地域独自の課題に対応するために検討している制度です。



 

2.なぜ「空き家税」を導入しようとしている?



背景にあるのは、寝屋川市の空き家問題です。

総務省の2023年住宅・土地統計調査では、市内に15,450戸の空き家があります。

そのうち、

賃貸用住宅:8,120戸
売却用住宅:920戸

となっています。

これらはすでに賃貸・売買市場に出ているため、市としては「流通している空き家」と考えています。
一方、それ以外の空き家が6,410戸あります。

さらに市は、このうち特定空家など約1,300戸を除いた、
約5,110戸の「管理されているものの市場に流通していない空き家」に注目しています。




 

3.問題視されているのは「ボロボロの空き家」だけではない



空き家問題というと、

・屋根が崩れそう
・雑草が伸び放題
・窓が割れている
・ゴミが放置されている

というような危険な空き家をイメージしませんか?

もちろん、こうした特定空家や管理不全空家の対策も重要です。

ただ、寝屋川市が今回特に注目しているのは、
「管理はされているけれど、誰も住まず、売却も賃貸もされていない住宅」です。

こうした住宅を市場に流通させることが今回の制度の大きな目的です。




 

4.寝屋川市では空き家が流通するまで長い時間がかかっている



寝屋川市の審議資料には、非常に興味深いデータがあります。

賃貸・売却用ではない約6,410戸の空き家のうち、
約80%が市場流通に至るまで4年以上かかっているとされています。

4年間空き家のままだと、その間にも、

・建物の劣化
・草木の繁茂
・害虫・害獣
・不法投棄
・防犯リスク

などが生じる可能性があります。

誰も住まない住宅は、人が住んでいる家より換気や点検が少なく、
劣化が進みやすい傾向があります。

だからこそ市としては、
「問題が起きてから対応するのではなく、その前に売却・賃貸・活用してもらいたい」
という考えなのですね。




 5.空き家税の対象になるのはどんな住宅?



条例素案では、課税対象となる「空き家」は、
住宅のうち、現に人が居住していない状態にあると認められるものとされています。

そして納税義務者は、
原則として毎年1月1日時点で寝屋川市内にある対象空き家の所有者等です。

ただし、空き家だからといって必ず課税されるわけではありません。




  6.売却中の空き家



「空き家を売ろうとしているのに税金までかかるの?」と思いますよね。

寝屋川市の条例素案では、
賃借人の募集または販売を開始した日から1年以内の住宅について、
課税免除とする考え方が示されています。

例えば、

相続した家を不動産会社へ売却依頼
販売活動開始
まだ買い手が見つからない

という場合、一定条件を満たせばすぐに課税されるわけではないということです。

制度の目的は税金を取ることそのものではなく、
空き家を市場に出す行動を促すことにあります。




7.賃貸に出している住宅も課税対象外になる可能性



同じように、事業として賃貸に出している住宅なども課税免除の対象として想定されています。

条例素案では、
「事業の用に供しているもの」または、
「1年以内に事業の用に供する予定のもの」についても課税免除とされています。

つまり、

誰も住んでいない=すぐ課税 ではなく、

・実際に賃貸募集している
・事業利用している
・具体的な活用予定がある

などの場合には扱いが変わります。




 8.相続した直後の空き家はどうなる?



相続による空き家は非常に多いですよね。

寝屋川市の素案では、所有者が死亡した場合などについて、
その事実が発生した日から3年間は課税免除とする仕組みが示されています。

これは相続手続きに一定期間が必要になることを考慮したものだと考えられます。




 9.気になる税額はどれくらい?



今回の制度で特に気になるのが税額ですよね。

寝屋川市の条例素案では、
固定資産税額の50%相当を基本とする税率が示されています。

例えば仮に、
固定資産税が年間10万円の対象空き家であれば、
空き家流通促進税が単純計算で約5万円相当というイメージになります‼︎

もちろん、実際の税額は家屋や土地の課税標準額などによって計算されますので、
すべての空き家が同じ金額になるわけではありません⚠︎




10.空き家の固定資産税が6倍になるという話とは別?



空き家について調べると、

「空き家になると固定資産税が6倍になる」
という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

これは今回の空き家流通促進税とは別の話です。

住宅が建っている土地には、通常「住宅用地の特例」があり、
小規模住宅用地では固定資産税の課税標準額が最大6分の1になります。

しかし、管理状態が悪く、

・特定空家
・管理不全空家

として一定の勧告を受けると、この住宅用地特例から外れる場合があります。

つまり今後、空き家所有者は、
固定資産税の住宅用地特例と、
新たな空き家税の両方を意識する必要が出てくる可能性があります。




11.寝屋川市の狙い



制度を見る限り、最大の目的は税収を増やすことより、
空き家を市場に流通させることにあります。

実際、寝屋川市は、

・賃貸する
・売却する
・活用する

といった行動を取った住宅について一定の課税免除を設ける方向です。

市は、空き家を流通させることで新しい住民の受け皿を増やす考えを示しています。

特に寝屋川市はすでに市街地化が進んでおり、
新たに大規模な住宅地を開発できる土地が限られています。

そのため、
既存住宅をもう一度市場に戻すことが住宅供給の重要な方法になっているのですね。




12.子育て世帯の住宅供給にもつながる?



寝屋川市は、今回の空き家政策について、
子育て世帯など新たな住民の受け皿を増やすという考えも示しています。

例えば、

高齢者が住んでいた戸建て
相続後空き家
市場に売却
リフォーム
子育て世帯が購入

という流れが増えれば、新たな宅地開発をしなくても住宅供給を増やせます。

これは不動産会社から見ても非常に重要なポイントです。





13.京都市でも「空き家税」の導入が進んでいる



空き家への新たな課税制度は寝屋川市だけではありません。

代表的なのが京都市です。

京都市では、
「非居住住宅利活用促進税」という制度の導入を進めています。

対象になるのは、市街化区域内の、

・空き家
・別荘
・セカンドハウス

など、生活の本拠として利用している人がいない住宅です。

ただし京都市は2026年8月、システム開発の影響で課税開始予定を延期し、
2030年度から開始予定としています。

つまり「空き家への課税」という考え方自体が、全国的に今後広がっていく可能性があります。




14.京都市と寝屋川市では目的や仕組みが少し違う



どちらも「空き家税」と呼ばれることがありますが、制度は同じではありません。

京都市では、

・空き家だけでなく
・別荘
・セカンドハウス

などの「非居住住宅」が対象です。

一方、寝屋川市の制度はより明確に、
市場に流通していない空き家を売却・賃貸へ動かすことを目的としています。

そのため、単純に「全国で同じ空き家税が始まる」と考えないことが重要です。





15.「そのうち売る」なら早めに査定しておく



空き家を所有している方の中には、
「まだ売ると決めていないから査定もしない」という方も多いと思います。

ただ、査定を取ることと売却を決めることは別です。

例えば、

・現在の売却価格
・建物を残した場合の価格
・解体した場合の価格
・不動産会社による買取価格
・賃貸できる場合の賃料

を知っておくだけでも、今後の判断材料になります。

特に今回のような空き家税が導入されると、
「持ち続けるコスト」と「今売る価格」を比較することがより重要になります。





16.空き家税が正式に始まる時期は?



2026年9月時点で、
寝屋川市は「(仮称)空き家流通促進税条例」の制定に向けた手続きを進めています。

2026年1月16日から2月16日まで条例素案についてパブリックコメントが行われ、
その後、市は意見募集結果を公表しました。

条例素案では、総務省との協議などを経て施行日を決定するとされています。

つまり現時点では、
「寝屋川市の空き家すべてに今すぐ新税がかかっている」という状態ではありません。

今後の正式な施行時期や最終的な制度内容については、市の最新発表を確認する必要があります。




【 まとめ 】




今回の雑誌記事を読んで一番印象に残ったのは、

空き家対策が「危険な空き家を取り締まる」だけではなく、
「普通の空き家を市場に戻す」方向へ進んでいるということでした。

寝屋川市には15,450戸の空き家があり、そのうち賃貸・売却用を除く空き家は6,410戸あります。

さらに、市が特に注目しているのは、
その中でも管理はされているものの市場に流通していない約5,110戸です。

寝屋川市が検討している制度では、
固定資産税とは別に、一定の空き家所有者へ新たな税負担を求める一方、
販売や賃貸など市場流通に向けた行動を取った住宅には課税免除を設ける考え方が示されています。

つまり制度のメッセージは、

「空き家を持つな」ではなく、
「使わないなら流通させましょう」ということだと思います。

寝屋川市だけでなく京都市でも非居住住宅への新税導入が進んでおり、
空き家を取り巻く税制度やルールは今後さらに変化していく可能性があります。

相続した家や長期間使用していない住宅を所有している方は、
「税金が始まってから考える」のではなく、今のうちに売却価格や活用方法を確認しておくことが大切です。

空き家だからといって必ずしも価値がないわけではありません。

立地や建物状態によっては、中古住宅として売却できたり、
不動産会社が買い取ったり、リフォームして再利用できたりする可能性もあります。

これからは、住む・貸す・売る・活用するという選択肢を比較しながら、
空き家を「放置しない」ことが、所有者にとっても地域にとってもますます重要になっていきそうです⁂



※本記事は、2026年9月時点で公表されている寝屋川市・京都市等の公式情報をもとに構成しています。寝屋川市の空き家流通促進税は制度検討・手続中の情報を含むため、正式な名称、施行時期、税率、課税対象、免除条件などが変更される可能性があります。
実際の税額・対象判定については寝屋川市等の最新情報をご確認ください。


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