相続で税金はかかる?相続税の仕組みと注意点を初心者向けに解説の画像

相続で税金はかかる?相続税の仕組みと注意点を初心者向けに解説

〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。




【 はじめに 】



相続と聞くと、親や家族から財産を引き継ぐことをイメージする方が多いと思います。

相続する財産の内容は家庭によってさまざまです。

その中でも、不動産がある相続では、
土地や建物の評価、名義変更、誰が取得するかなど考えることが多くなります。

そして、相続で特に気になるのが税金です。

「相続したら必ず相続税がかかるの?」
「いくら以上の財産があると相続税がかかる?」
「申告はいつまでにすればいい?」
「不動産の名義変更にも費用がかかるの?」

このような疑問を持つ方は多いと思います。

相続税は、すべての相続で必ず発生するわけではありません。

一定の基礎控除があり、
相続財産の合計がその範囲内であれば、相続税がかからないケースもあります。

一方で、相続税がかからない場合でも、
不動産の相続登記や各種名義変更、準確定申告、売却時の税金など、別の手続きや費用が必要になる場合があります。

この記事では、相続税とは何か、どれくらいかかるのか、必要な手続きなど
できるだけわかりやすく整理していきます。





 1. 相続税とは?



相続税とは、
亡くなった方の財産を相続や遺贈によって受け取った場合に、その財産に対してかかる税金です。

亡くなった方のことを被相続人、
財産を引き継ぐ人のことを相続人といいます。

相続税では、現金や預貯金だけでなく、不動産も財産として評価されます。

たとえば、
実家の土地や建物、賃貸マンション、駐車場、空き家なども相続財産に含まれることがあります。


⚪️ 相続税は全員にかかるわけではない

相続税と聞くと、相続した人全員が払う税金と思われるかもしれません。

しかし、実際には相続税には基礎控除があります。

基礎控除とは、
「ここまでの財産額であれば相続税はかかりません」という非課税枠のようなものです。

相続財産の合計額が基礎控除以下であれば、相続税はかかりません。

基礎控除の計算式は次のとおりです。


3,000万円+600万円×法定相続人の数

たとえば、法定相続人が3人いる場合は、

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

となります。

この場合、相続財産の合計が4,800万円以下であれば、
基本的には相続税はかかりません。




 2. 相続で関係する税金の種類



相続でかかる税金と聞くと、まず相続税を思い浮かべます。

ただし、相続の場面では、相続税以外にも関係する税金や費用があります。

ここでは、不動産相続で特に関係しやすいものを整理します。


⚪️  相続税

相続税は、
相続財産の合計額が基礎控除を超える場合にかかる税金です。

財産を受け取った人が、
それぞれ取得した財産の割合に応じて負担することになります。

単純に「自分が受け取った金額に税率をかける」というだけではありません。

まず、相続財産全体を評価し、そこから基礎控除を差し引き、
法定相続分で仮に分けたものとして相続税の総額を計算します。

その上で、実際に財産を取得した割合に応じて各相続人の税額を計算します。

不動産がある場合は、土地や建物の評価方法が重要になります。



⚪️  登録免許税

不動産を相続した場合、
名義を亡くなった方から相続人へ変更する必要があります。

これを相続登記といいます。

相続登記を行うときには、登録免許税がかかります。

相続による所有権移転登記の登録免許税は、
原則として固定資産税評価額をもとに計算されます。




⚪️ 所得税・住民税

相続した不動産を売却する場合、
売却益が出ると所得税や住民税がかかります。

これは相続税とは別の税金です。

たとえば、相続した実家を売却して利益が出た場合、
その利益は譲渡所得として課税対象になることがあります。

ただし、取得費や譲渡費用、所有期間、特例の適用などによって税額は変わります。

相続した空き家を売却する場合には、
一定の要件を満たすことで使える特例もあります。




 3. 相続税はどれくらいかかる?



相続税の基礎控除は、

3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算します。

法定相続人の人数ごとの基礎控除額は、次のようになります。




たとえば、
相続人が配偶者と子ども2人の合計3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。

この場合、
相続財産の合計が4,800万円以下であれば、相続税は基本的にはかかりません。

一方で、預貯金や不動産、生命保険金などを合わせた財産が4,800万円を超える場合は、
相続税の申告が必要になる可能性があります。



⚪️ 不動産は評価額を確認することが大切

相続税を考える上で、不動産の評価はとても重要です。

購入した価格や売却できそうな価格がそのまま相続税評価額になるわけではありません。

土地は路線価や倍率方式などをもとに評価され、
建物は固定資産税評価額をもとに評価されることが一般的です。

そのため、実際の売却価格より相続税評価額が低くなることもあります。

ただし、土地の形、道路付け、面積、利用状況、
賃貸中かどうかなどによって評価が変わることもあります。



⚪️ 相続税率は財産額によって変わる

相続税は、財産が多くなるほど税率が高くなる仕組みです。

税率は10%から最大55%まで段階的に設定されています。

ただし、相続税は相続財産全体から基礎控除を差し引いて計算されるため、
財産全体にそのまま高い税率がかかるわけではありません。

また、配偶者には大きな税額軽減制度があります。
配偶者が取得する財産については、一定の範囲内で相続税がかからない場合があります。



 

4. 相続で必要な手続き



相続が発生すると、税金だけでなく、さまざまな手続きが必要になります。

特に不動産がある場合は、名義変更や相続人同士の話し合いが重要です。


 ⑴ 相続人を確認する

まずは、誰が相続人になるのかを確認します。

相続人は、戸籍を集めて確認します。

配偶者、子ども、父母、兄弟姉妹など、家族構成によって相続人は変わります。

遺言書がある場合は、原則として遺言書の内容に沿って相続手続きを進めます。


 ⑵ 相続財産を調べる

次に、亡くなった方がどのような財産を持っていたのかを調べます。

相続では、プラスの財産だけでなく、
借金や未払金などのマイナスの財産も確認する必要があります。


遺産分割協議を行う

遺言書がない場合や、遺言書に書かれていない財産がある場合は、
相続人全員で遺産分割協議を行います。

遺産分割協議とは、誰がどの財産を取得するかを話し合うことです。

協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成します。

不動産を相続する場合、
この遺産分割協議書が相続登記で必要になることがあります。


相続税の申告・納税

相続税の申告が必要な場合は、
相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告と納税を行います。

10か月と聞くと長く感じるかもしれませんが、
相続人の確認、財産調査、不動産評価、遺産分割協議、申告書作成まで進める必要があるため、
実際にはあっという間に感じることもあります。

特に不動産が多い場合や相続人が複数いる場合は、早めに動くことが大切です。


相続登記を行う

不動産を相続した場合は、相続登記が必要です。

令和6年4月1日から相続登記は義務化されており、
不取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。

相続税がかからない場合でも、不動産の名義変更は必要です。

相続登記をしないまま放置すると、
将来売却したいときに手続きが進まなかったり、
相続人が増えて話し合いが難しくなったりすることがあります。



 5. 相続で注意したいポイント



相続では、税金だけでなく、
家族間の話し合いや不動産の扱いにも注意が必要です。


 注意点①:相続税がかからなくても手続きは必要

相続税がかからない場合でも、
相続手続きが不要になるわけではありません。

預貯金の名義変更、不動産の相続登記、公共料金の変更、必要な手続きは多くあります。

特に不動産を相続した場合は、早めに登記を済ませておくことが大切です。


 注意点②:不動産は分けにくい

現金は分けやすいですが、不動産は簡単に分けることができません。

たとえば、実家を子ども3人で相続する場合、
誰が住むのか、売却するのか、賃貸に出すのか、共有名義にするのかを決める必要があります。

安易に共有名義にすると、
将来売却や管理の場面で意見が合わず、トラブルになることがあります。

不動産を相続する場合は、今だけでなく将来の使い方まで考えることが大切です。


注意点③:納税資金を準備しておく

相続税は、原則として現金で納付します。

相続財産の多くが不動産の場合、
相続税が発生しても手元に現金が少ないことがあります。

このような場合、納税資金をどう準備するかが問題になります。

不動産を売却する、生命保険を活用する、預貯金を確保するなど、生前から考えておくことが大切です。


 注意点④:相続放棄には期限がある

借金が多い場合や、相続したくない財産がある場合は、
相続放棄を検討することがあります。

相続放棄をする場合は、
原則として相続の開始を知ったときから
3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

ただし、相続放棄をすると、
プラスの財産もマイナスの財産も引き継がないことになります。

自己判断せず、専門家に相談することが大切です。





【 まとめ 】



相続でかかる税金には、相続税を中心に、
登録免許税、所得税・住民税、準確定申告に関係する税金、贈与税などがあります。

相続税はすべての人に必ずかかるわけではなく、
基礎控除を超える財産がある場合に申告が必要になる可能性があります。

特に不動産がある相続では、
土地や建物の評価額、誰が取得するか、
売却するかどうかによって税金や手続きが変わります。

また、相続税の申告・納税には期限があり、
不動産を相続した場合は相続登記も必要です。

相続は、財産を受け取るだけでなく、今後の不動産の使い方まで考える必要があります。

相続が発生してから慌てないためにも、
財産の内容や名義、相続人、納税資金、不動産の活用方法を早めに確認しておくことが大切です。

不動産を含む相続は、判断が難しい場面も多いため、
税理士・司法書士・不動産会社などに相談しながら進めていきましょう✳︎


”〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉”おすすめ記事

  •  不動産売却でかかる税金計算の画像

    不動産売却でかかる税金計算

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

  • 不動産の共有名義とは?売却・相続・管理で注意したいポイントの画像

    不動産の共有名義とは?売却・相続・管理で注意したいポイント

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

  • 住宅ローンは何歳から何歳まで借りられる?の画像

    住宅ローンは何歳から何歳まで借りられる?

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

  • 終活で考える不動産整理とは?の画像

    終活で考える不動産整理とは?

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

  • 長期優良住宅とは?基準・メリットデメリット・認定までの流れをやさしく解説の画像

    長期優良住宅とは?基準・メリットデメリット・認定までの流れをやさしく解説

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

  • 住宅ローン控除とは?〜条件・いくら戻るか・注意点を解説〜の画像

    住宅ローン控除とは?〜条件・いくら戻るか・注意点を解説〜

    〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

もっと見る