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不動産売却の確定申告を徹底解説

〈 家・土地 売却 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。

不動産売却の確定申告を徹底解説


【はじめに】



土地を売却したあと、
「確定申告って必要なの?」と不安になる方は
少なくありません。

実は、
不動産売却における税金は
事前に理解しているかどうかで
手取り額が大きく変わります。

・売却後にどれくらい税金がかかるのか
・確定申告をしないとどうなるのか
・使える特例はあるのか

本記事では、
不動産売却時の確定申告について、
税額計算の仕組みから特例、申告方法まで、
わかりやすく解説します。






不動産売却で確定申告が必要なケース



まず大前提として、
土地や建物を売却して“利益が出た場合”は、
原則として確定申告が必要です。

ここでいう「利益」とは、
単に“買った時より高く売れたかどうか”
ではありません。

税務上の計算方法で決まります。


次の条件に当てはまる場合は、
申告が必要になります。



⚪️ 売却して譲渡所得がプラスになった場合

譲渡所得の計算式は次のとおりです。

譲渡所得 =
売却価格 −(取得費+譲渡費用)

● 具体例
・売却価格:2,800万円
・取得費:1,600万円
・仲介手数料など:120万円
→ 譲渡所得:1,080万円(プラス)

この1,080万円に税率をかけて税額が決まるため、
このケースでは確定申告が必要です。



⚪️ 「利益が出ていない」と思っても注意

よくある誤解があります。

「昔2,000万円で買った土地を2,100万円で売ったから、
 利益は100万円だけ」

実際はそう単純ではありません。

取得費が証明できない場合、
売却価格の5%しか取得費として認められない
ことがあります。

例えば:
・売却価格:2,100万円
・取得費不明 → 概算取得費105万円(2,100万円×5%)

この場合、
2,100万円 −(105万円+諸費用)= 大きな利益扱い
になります。

つまり、
自分では“利益は少ない”と思っていても、
税務上は大きな利益になるケースがあるのです。



確定申告が不要になるケース



逆に、次のような場合は
申告不要になることがあります。


⚪️ 譲渡所得がマイナス(損失)の場合

・売却価格:1,500万円
・取得費+諸費用:1,800万円
→ ▲300万円(赤字)

この場合、
原則として税金はかかりません。

ただし注意点があります。

赤字でも申告した方が
得になる場合があります。

住宅ローン控除との関係や損益通算の特例など、
条件次第では税金が戻るケースもあります。



⚪️ 3,000万円特別控除で税額がゼロになる場合

マイホーム売却で、
譲渡所得 − 3,000万円 = 0以下

になった場合、
税額はゼロになります。

しかしここが重要です。

税額がゼロでも、
特例を使うためには確定申告が必要です。

申告しなければ特例は適用されません。

「税金がかからない=申告不要」
ではありません。



サラリーマンでも申告は必要?



給与所得者でも関係ありません。
不動産の譲渡所得は分離課税です。

会社の年末調整では処理されません。

そのため、
✔ 給与所得者
✔ 年金受給者
✔ 個人事業主

すべての方が対象になります。



申告しなかった場合どうなる?



確定申告をしなかった場合、

・無申告加算税
・延滞税
が発生します。

悪質と判断されれば
重加算税もあり得ます。

税務署は不動産の売却情報を把握しています。
登記情報は連動しています。



土地売却の税率は所有期間で変わる



ここが最重要ポイントです。

長期譲渡所得(所有期間5年超)
税率:約20%
(所得税+住民税)

短期譲渡所得(5年以下)
税率:約39%

たとえば利益が1,000万円の場合:
長期:約200万円
短期:約390万円
差額:約190万円

売却時期が数か月違うだけで、
税額が大きく変わることがあります。

売却前に所有期間を必ず確認するべき理由が
ここにあります。



不動産売却で使える主な特例



⚪️ 居住用財産の3,000万円特別控除

マイホームを売却した場合、
譲渡所得から最大3,000万円を
控除できます。

例:
譲渡所得2,400万円 → 課税ゼロ
ただし以下の条件があります。

・実際に居住していた
・親族間売買でない
・過去に同特例を使っていない

適用要件を誤ると
否認される可能性があります。



⚪️ 10年超所有の軽減税率

所有期間10年超のマイホーム売却では、

・6,000万円以下部分:14%程度
・6,000万円超部分:20%程度

さらに税負担が軽減されます。



⚪️ 相続した土地を売却する場合

相続不動産の売却では、
取得費が不明なケースが多いです。

取得費が証明できない場合、
売却価格の5%を概算取得費とする
扱いになります。

これは非常に不利です。
契約書や購入時資料が残っていないか、
必ず確認しましょう。



確定申告の流れ



▫️ 申告時期

売却した翌年の2月16日〜3月15日
例:2026年売却 → 2027年申告


▫️ 確定申告に必要な書類

不動産売却の確定申告では、
税務署に対して
「いくらで売って、いくらで取得し、いくら経費がかかったのか」
を証明する必要があります。

そのため、
以下の書類を準備します。


⚪️ 売買契約書(売却時)

・何のために必要?
→ 売却価格の証明

・どこで入手できる?
→ 売却時に締結した契約書の原本(自宅保管)
※不動産会社が仲介している場合はコピーを保管していることが多い


⚪️ 取得時の売買契約書

・何のために必要?
→ 取得費(いくらで買ったか)の証明

・どこで入手できる?
→ 購入時の契約書(自宅保管)
→ 仲介会社が存続していれば写しが残っている可能性あり
→ 金融機関の住宅ローン資料に記載がある場合もある


⚠︎重要注意点

取得費が証明できないと、
売却価格の5%しか取得費として認められません。

これは税額が大きく増える原因になります。
まずは徹底的に探すことが重要です。


⚪️ 仲介手数料・測量費などの領収書

・何のために必要?
→ 譲渡費用として差し引ける

・どこで入手?
→ 不動産会社・土地家屋調査士・解体業者から受領済み
→ 再発行可能なケースもあるため、紛失時は業者へ確認


⚪️ 登記事項証明書(登記簿謄本)

・何のために必要?
→ 所有期間の確認(短期・長期判定)

・どこで取得できる?
→ 法務局
→ オンライン(登記情報提供サービス)
→ 司法書士に依頼も可能

・費用:数百円程度

所有期間は
「取得日から売却した年の1月1日時点」で判定します。


⚪️ 本人確認書類

・マイナンバーカード
・通知カード+身分証


⚪️ 確定申告書(第三表・譲渡所得内訳書)

・どこで入手?
→ 国税庁ホームページ(e-Tax)
→ 税務署窓口
→ 税理士に依頼

現在はe-Taxが主流です。


⚪️ 相続した土地の場合に追加で必要なもの

・被相続人の取得時契約書
・遺産分割協議書
・相続登記の書類

取得費を引き継ぐため、
相続関係資料が重要になります。




【まとめ】


不動産売却後の確定申告は、
「知らなかった」では済まされません。

税金の仕組みを理解し、
手取りを最大化する視点を持つことが
重要です。

売却価格だけでなく、
税金を含めた総合的な判断が不可欠です。

もし、
・いくら税金がかかるのか知りたい
・特例が使えるのか不安
・相続土地の売却を検討している

という場合は、
売却前の試算を強くおすすめします。

不動産売却は「売ること」がゴールではありません。

最終的な手取りを最大化することが
本当の目的です。


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