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売却した家の固定資産税は誰が払う?日割り精算・起算日・売主と買主の負担をわかりやすく解説

〈 ローン/税金/相続/住宅制度 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。




【はじめに】



こんにちは。

不動産を売却するとき、売買価格や仲介手数料と一緒に出てくるのが、
「固定資産税・都市計画税の精算」という言葉です。

例えば、10月に家を売却する場合、

「10月からは買主さんの家になるのだから、残りの固定資産税は買主が払うの?」
「固定資産税は月割り?日割り?」
など、少し分かりにくいですよね。

固定資産税は、原則として毎年1月1日時点の所有者に、その年度分が課税される税金です。

今回は、売却した家の固定資産税は誰が払うのか、
1月1日の所有者との関係、固定資産税の日割り精算、
不動産初心者の私なりに分かりやすく整理していきます。






1.そもそも固定資産税とは?



固定資産税とは、
・土地
・家屋
・一定の償却資産
などを所有している人に課される地方税です。

土地や建物の場合、固定資産の評価額などをもとに税額が計算されます。

また、市街化区域内など一定の土地・建物には、都市計画税も課税されます。

不動産売買で「固定資産税等を精算する」と言う場合には、
固定資産税だけでなく都市計画税も合わせて精算するケースが一般的です。



2.固定資産税を払うのは「1月1日の所有者」



ここが今回の記事で一番大切なポイントです。

固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に課税されます。

例えば、
2026年1月1日 売主Aさん所有
2026年9月30日 AさんからBさんへ売却

だったとしても、
2026年度分について市区町村から見た納税義務者は、原則としてAさんです。

9月に所有権がBさんへ移ったからといって、
市役所が、
1月~9月分 Aさん
10月~12月分 Bさん
と分けて請求するわけではありません。



3.家を売った後でも納税通知書が届くことがある?



あります。

特に、
「もう売却したのに固定資産税の納付書が届いた!」と驚くケースがあります。

でも、重要なのは、いつ売却したかだけでなく、
1月1日時点で誰が登記上の所有者だったかです。

1月1日時点で売主名義なら、
その年度分の固定資産税等については、原則として売主側に納税通知書が送られます。



4.では買主は固定資産税を払わなくていい?



税法上だけを見ると、その年度の納税義務者は1月1日の所有者です。

しかし、
1月1日から12月31日までずっと売主が所有しないというケースがあります。

例えば10月1日に引渡しをしたなら、
10月以降は買主が使用することになります。

そこで不動産売買では、
売主と買主の所有期間に応じて固定資産税等を日割りして、
買主負担分を売主へ支払うという精算が一般的に行われています。

ただし、これは市区町村が行う税金の再計算ではありません。

あくまでも、売買契約上の売主・買主間の費用精算です。



5.固定資産税の「精算」とは?



途中で所有権が売主から買主へ移った場合、

・売主が所有していた期間
・買主が所有する期間
に分けて計算します。

そして、買主が負担する期間分について、
決済時に買主から売主へ支払うという形にします。

これが、固定資産税等の精算金です。
通常は売買代金の残代金と一緒に決済時に精算します。



6.固定資産税は「月割り」ではなく日割りが一般的



「10月に売却したから9か月分と3か月分」
と月単位で計算するイメージを持つ方もいると思います。

実際の不動産売買では、日割り計算が一般的です。

年間税額を365日で割って、
売主の負担日数と買主の負担日数を計算します。

ただし、契約によって計算方法は異なる可能性がありますので、
売買契約書の「公租公課等の分担」などの条項を確認します。



7.ここで出てくるのが「起算日」



固定資産税の日割り精算で少しややこしいのが、起算日です。

起算日とは、
「固定資産税等を日割りする期間のスタートをいつにするか」という基準です。

一般的には、
1月1日起算または、4月1日起算が使われます。

どちらを使うかについて、
法律で全国一律に決められているわけではありません。



8.なぜ1月1日と4月1日の2つがあるの?



固定資産税の賦課期日は、1月1日です。

そのため、
1月1日~12月31日を一つの期間として日割りする考え方があります。

一方、固定資産税は年度単位の税金として扱われるため、
4月1日~翌年3月31日を精算期間として考える方法もあります。

そのため、不動産取引では、
・1月1日起算
・4月1日起算
という2種類が存在しています。



9.関西では4月1日起算を使うことも多い



大阪など関西圏の不動産取引では、
4月1日起算で固定資産税等を精算するケースが多く見られます。

一方で関東では1月1日起算とする取引が多いと紹介されることがあります。

ただし、
「大阪だから必ず4月1日」という法律があるわけではありません。

最終的には売買契約書で、
起算日をいつにするのかを確認する必要があります。



10.1月1日起算ならどうなる?



同じ、
10月1日引渡し、1月1日起算なら、

◯1月1日~9月30日
→売主負担

◯10月1日~12月31日
→買主負担

という考え方になります。

つまり、
同じ税額・同じ引渡し日でも、
起算日によって精算額が変わる可能性があります。

そのため売買契約では、
「固定資産税等は何月何日を起算日として精算する」という内容を確認しておくことが重要です。



11.精算したから納税義務者が買主になるわけではない



ここは非常に重要です。

例えば買主から、
固定資産税精算金として5万円を受け取ったとしても、
市役所へ5万円だけ納税すればいいということではありません。

その年度の納税義務者が売主なら、
市区町村に対しては売主が年税額を納付します。

そして買主から受け取る5万円は、
売主・買主間で費用負担を調整したお金という位置付けです。



12.納付書を買主へ渡せばいい?



基本的には、売主側で納税を完了させる形を考えます。

買主に残りの納付書を渡して、
「これからはあなたが払ってください」としてしまうと、
万が一買主が支払わなかった場合、納税義務者である売主側に問題が残る可能性があります。

そのため決済では、
固定資産税等を精算
↓
売主が納税
という形で整理しておく方が分かりやすいです。



13.まだ納税通知書が届いていない時期に売却する場合は?



少し難しいのが、
1月〜4月など、当年度の納税通知書がまだ届いていない時期に決済するケースです。

その場合、当年度の正確な年税額がまだ分からないことがあります。

こうした場合には、
・前年度の税額で仮精算する
・前年度の税額で確定精算する
・納税通知書が届いてから再精算する
などの方法があります。



14.都市計画税も一緒に精算する?



固定資産税だけでなく、
都市計画税が課税されている物件なら、通常は合わせて精算します。

そのため売買契約書では、
固定資産税及び都市計画税あるいは、
公租公課という表現が使われることがあります。

納税通知書を見ると、
・固定資産税
・都市計画税
がそれぞれ記載されているので、合計額をもとに計算します。



15.マンションでも固定資産税は精算する?



中古マンションでも基本的な考え方は同じです。

マンションでは、
・専有部分の建物
・敷地権・土地持分
に対する固定資産税等があります。

これについて売主・買主間で日割り精算を行います。

なお、
管理費や修繕積立金などは固定資産税とは別に精算します。



16.1月1日前後の売却は特に注意



例えば、
12月末決済と、1月上旬決済では、
固定資産税の納税義務者が変わる可能性があります。

12月31日までに所有権移転していれば、
翌年1月1日時点の所有者は買主となります。

一方、1月2日に所有権移転した場合には、
1月1日時点ではまだ売主名義ということになります。

つまり、
数日の違いで翌年度の納税通知書が誰に届くか変わる可能性があります⚠︎



17.固定資産税精算金は「税金そのもの」ではない



先ほども触れましたが、
買主から売主へ支払う固定資産税精算金は、
地方自治体へ納める固定資産税そのものではありません。

あくまで売買契約上の費用負担の調整金です。

この違いは、売主が事業者の場合の会計・税務処理などでも関係するため、
必要に応じて税理士へ確認した方が安心です。



18.売主は固定資産税の納付書を保管しておく



不動産売却を検討しているなら、
毎年届く、固定資産税・都市計画税納税通知書
を捨てずに保管しておくことをおすすめします。

売却では、
現在の固定資産税額や固定資産評価額などを確認することがあります。

また登記費用や税金の計算で、
固定資産評価証明書などが必要になる場合もあります。



19.売却前に確認しておきたいポイント



固定資産税等については、契約前後で次の項目を確認しておくと安心です。

- 固定資産税・都市計画税の年税額
- 納税通知書が届いているか
- 納付済みか
- 起算日は1月1日か4月1日か
- 引渡し日をどちらの負担に含めるか
- 日割り精算を行うか
- 納税通知書が未着の場合の計算方法
- 前年度税額を使う場合に再精算するか
- 土地と建物の両方が対象になっているか

特に大阪など関西圏の取引では、
「4月1日起算で精算するのか」を契約書で確認しておくと分かりやすいです。



20.売主が覚えておきたいのは「納税義務」と「精算」は別ということ



今回いろいろ調べていて、一番分かりやすい整理はこれでした。

①税金として誰が払うのかと、
②売主・買主の間で誰が負担するのかは別です。

1月1日の所有者
→自治体に対する納税義務者

売主・買主間の日割り
→売買契約上の費用精算

という違いです。

ここを分けて考えると、固定資産税精算がかなり分かりやすくなります。



【まとめ】



家を年の途中で売却した場合でも、
固定資産税等は原則として1月1日時点の所有者にその年度分が課税されます。

売却した日を境に、市区町村が売主・買主へ自動的に分割して
請求する仕組みではありません。

その代わり、不動産売買では引渡し日を基準として、
売主が負担する期間と買主が負担する期間を日割りし、決済時に精算する方法が一般的です‼︎

そして意外と重要なのが「起算日」です。

1月1日を起算日にするのか、4月1日を起算日にするのかは
法律で全国一律に決められているわけではないため、契約内容を確認する必要があります。

つまり固定資産税については、
「誰に納税通知書が届くのか」と「最終的に誰がどの期間分を負担するのか」は別の話なんですね。

不動産の売却では、売買価格だけに目が行きがちですが、
決済時には固定資産税・都市計画税、管理費、修繕積立金などさまざまな精算があります。

契約時に、
起算日はいつか、引渡し日から誰の負担になるのか、いくら精算するのかまで確認しておくことで、
決済日に「思っていた金額と違う」というトラブルを防ぎやすくなります。


※本記事は2026年10月時点の公的情報等をもとにした一般的な解説です。固定資産税・都市計画税の課税内容、精算方法、起算日などは自治体や売買契約によって異なる場合があります。実際の取引では売買契約書、不動産会社、自治体、税理士等へご確認ください。

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