
空き家を放置するとどうなる?管理方法と固定資産税の注意点
【はじめに】
こんにちは。
相続した実家や、転居後に住む人がいなくなった家を
そのまま所有している方も多いと思います。
でも空き家について調べてみると、
人が住んでいない家ほど、定期的な管理が大切だということが分かります。
住んでいれば毎日のように窓を開けたり、
郵便物を確認したりしますが、空き家になるとそうしたことが一切なくなります。
今回は、空き家を所有している場合にどんな管理をすればいいのか、
管理不全空家や固定資産税の注意点まで、私なりに分かりやすく整理していきます。

1.そもそも日本にはどれくらい空き家がある?
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、
全国の空き家は約900万戸で、過去最多となっています。
総住宅数に占める空き家率は13.8%で、こちらも過去最高です。
さらに、賃貸用・売却用・別荘などを除いた、
いわゆる「その他の空き家」は385万戸にのぼります。
つまり今では、
「実家を相続したけれど住まない」
「転勤して家が空いた」
「施設入居で自宅が空き家になった」
といったケースは、珍しいことではありません。
だからこそ、空き家をどう管理するかは、
多くの家庭にとって身近な問題になっています。
2.空き家はなぜ傷みやすいの?
人が住んでいない家は、意外と早く傷みます。
その大きな理由の一つが、空気と水が動かなくなることです。
普段住んでいる家なら、
・窓を開ける
・換気扇を回す
・水道を使う
・掃除をする
といった行動を自然にしています。
ところが空き家では、室内の湿気がこもりやすくなり、
カビや木材の腐食につながることがあります。
3.まず大切なのは「定期的な換気」
空き家管理で最初に意識したいのが、換気です。
窓を閉め切ったままにすると、室内に湿気がこもります。
すると、
カビや壁紙の浮き、木材の腐食などにつながる可能性があります。
そのため、定期的に家を訪れたときには、
・複数の窓を開ける
・室内扉も開ける
・押入れや収納も開ける
など、家全体の空気を入れ替えることが大切です。
国土交通省の空き家管理チェックリストでも、
定期的な「通気や換気」が管理項目として挙げられています。
4.水を使わない家ほど「通水」が必要
空き家では、
水道を長期間使わないことにも注意が必要です。
排水管には、悪臭や害虫が上がってこないように
一定量の水を溜める「封水」という仕組みがあります。
長期間水を流さないと、この水が蒸発して、
下水の臭いや害虫などが室内へ入り込むことがあります。
排水設備の封水切れによる悪臭や不衛生な状態を防ぐため、
定期的な通水や封水の補充を管理項目として挙げています。
5.郵便物をためないことも空き家管理
郵便受けが、
チラシや郵便物でいっぱいになっていると、
「ここは長期間誰もいない」と分かりやすくなります。
これは防犯上も良くありません。
空き家管理では、郵便物の確認・整理も大切です。
遠方に住んでいる場合は、郵便物の転送手続きを検討するのも一つの方法です。
6.雑草や庭木
戸建ての空き家で特に大変なのが、庭の管理です。
数か月見に行かないだけで、
・雑草が伸びる
・植木が道路へ出る
・枝が隣地へ越境する
といったことがあります。
枝が道路へはみ出せば通行の邪魔になりますし、
隣家へ越境すれば近隣トラブルになる可能性もあります。
7.外観もチェックする
空き家を訪れたときは、室内に入る前に、
建物の外観を一周してみることをおすすめします。
例えば、
・屋根材がずれていないか
・雨樋が外れていないか
・外壁に大きなひび割れがないか
・窓ガラスが割れていないか
・門や塀が傾いていないか
などです。
特に台風や大雨の後は、
「前回は大丈夫だったから」と思わず確認するようにしましょう‼︎
8.雨漏りは早めに気付くことが大切
空き家で怖いのが、
雨漏りを長期間放置してしまうことです。
人が住んでいれば、
天井のシミや床の濡れ、臭いなどですぐ異変に気付けます。
でも空き家の場合、
数か月後に訪れたら天井が大きく傷んでいたということもあります。
雨漏りは、
柱・天井・床などの腐食につながる可能性があります。
室内を見回るときは、
・天井のシミ
・壁の変色
・床の浮き
などがないか確認しましょう。
9.害虫・害獣にも注意
誰も住んでいない家は、
・ネズミ
・ハクビシン
・鳥
・害虫
などが入り込むことがあります。
一度棲みつくと、
糞尿や悪臭、断熱材の破損などにつながる場合がある為。
対策をすることをお勧めします。
10.近隣への影響も考えて管理する
空き家は、所有者本人だけの問題ではありません。
例えば、
・庭木が隣地へ越境
・屋根材が飛散
・害虫が発生
・ゴミが不法投棄
となれば、近隣住民にも迷惑がかかります。
11.「特定空家」とは?
さらに状態が悪くなり、
・倒壊のおそれ
・衛生上問題がある
・景観を著しく損なっている
など周辺環境へ大きな影響を与える空き家は、
特定空家として市区町村から指導や勧告などの対象になることがあります。
場合によっては最終的に行政代執行による除却などに進むこともあります⚠︎
12.空き家を放置すると固定資産税にも影響する?
ここは特に注意したいポイントです。
住宅が建っている土地には、
住宅用地特例によって固定資産税の課税標準が軽減されています。
例えば200㎡以下の小規模住宅用地では、
固定資産税の課税標準が原則として6分の1になります。
しかし、管理不全空家や特定空家について、市区町村から勧告を受けると、
この住宅用地特例の対象から外れる場合があります。
つまり、
「建物を残しておけばずっと税金が安い」とは限りません。
13.空き家にも固定資産税や維持費がかかる
誰も住んでいなくても、
・固定資産税
・都市計画税
・火災保険
・庭木の剪定
・修繕費
などは必要です。
さらに遠方の空き家なら、交通費もかかります。
「使っていない家なのに、毎年費用だけかかる」という状態になっている方も多いと思います。
だからこそ、
管理費用と将来の利用予定を一緒に考えることが大切です。
14.火災保険も確認
住宅を空き家にした場合、
現在契約している火災保険の条件がそのまま適用されるとは限りません。
保険会社によって、
住宅として扱えるか、空き家として契約変更が必要かなどが異なります。
長期間空き家になる場合は、
一度保険会社へ確認しておく方が安心です。
15.電気・水道は止めるべき?
空き家になると、
「電気も水道も全部止めた方がいい?」と思いますよね。
長期間使用しない場合には契約整理を検討することもあります。
一方で、
・定期的な通水
・照明を使った点検
・掃除
などを考えると、
水道や電気を残しておいた方が管理しやすい場合もあります。
また冬季には給水管凍結対策として元栓を閉めるなど、
地域や季節に応じた対応も必要になってきます。
16.空き家を管理するときのチェック項目
空き家へ行ったときには、
- 窓を開けて換気
- 水道を流す
- 排水口へ水を流す
- 郵便物を回収
- 室内を簡単に清掃
- 雨漏り跡を確認
- カビ・湿気を確認
- 窓・玄関の破損確認
- 外壁・屋根を目視
- 庭木・雑草を確認
- 隣地や道路への越境確認
- 害虫・害獣の痕跡確認
- ゴミ・不法投棄の確認
- 門扉・塀・擁壁の状態確認
などを見ておきましょう。
17.遠方の空き家はどう管理する?
例えば、
今大阪に住んでいて、実家は九州という場合、
毎回自分で見に行くのは大変です。
その場合は、
親族や近隣の知人に頼むか、
空き家管理サービスなどに管理を依頼する方法があります。
18.空き家管理サービスでは何をしてくれる?
サービス内容は会社によって異なりますが、
・外観確認
・室内確認
・換気
・通水
・郵便物回収
・庭木確認
・写真報告
などを行うサービスがあります。
さらに、
草刈りやハウスクリーニングなどを別途依頼できる場合もあります。
自分で管理できない場合には、
管理を外注するという選択肢も考えたいですね。
19.「管理し続ける」以外の選択肢
空き家を適切に管理することは大切ですが、
何十年も管理を続けることが正解とは限りません。
将来誰も住む予定がないのであれば、売却や賃貸などを検討することもできます。
20.売却するなら建物が傷む前の方が選択肢が多い
空き家を長期間放置すると、
・雨漏り
・設備故障
・カビ
・シロアリ
・庭の荒れ
などによって、
建物状態が悪くなる可能性があります。
状態が悪化すれば、
建物付き中古住宅として売れるはずだった家が、
古家付き土地としてしか評価されないこともあります。
そのため、
「いつか売るかもしれない」のであれば、
早めに査定を受けて、今どのくらいの価値があるのかを把握しておくのもおすすめです。
21.賃貸にするという方法もある
立地や建物状態によっては、
賃貸住宅として活用できる場合もあります。
ただし、
・リフォーム費用
・賃貸需要
・設備修理
・管理費
などを考えなければいけません。
「空き家だからとりあえず貸そう」ではなく、
家賃収入と必要経費を比較して検討しましょう‼︎
22.解体する場合もタイミングが重要
建物がかなり古く、
今後誰も使わないという場合には、解体も選択肢になります。
ただし、住宅を解体すると、
住宅用地特例がなくなることで土地の固定資産税負担が変わる場合があります。
そのため、
先に壊してから考えるのではなく、
売却査定などを取ったうえで判断する方が安全です。
23.相続した空き家なら名義も確認する
親が亡くなって空き家になった場合、
建物を管理するだけでなく、相続登記も確認が必要です。
2024年4月から相続登記は義務化されています。
誰が所有者なのか曖昧なままだと、
将来売却したいとき・修繕したいときに手続きが複雑になることがあります。
24.空き家管理で大切なのは「記録を残すこと」
空き家を訪問したときは、
・写真
・点検日
・修繕履歴
などを残しておくと便利です。
次回確認するときにも比較しやすくなります。
将来売却する場合にも、きちんと管理してきたことを説明しやすくなります。

【まとめ】
空き家は、
誰も住んでいないから何もしなくていい家ではありません。
むしろ人が住んでいないからこそ、定期的な管理が必要になります。
適切に管理しなければ建物の劣化が進むだけでなく、
近隣への影響や、管理不全空家・特定空家として行政から指導を受ける可能性もあります。
さらに勧告まで進むと、
固定資産税等の住宅用地特例が適用されなくなる場合があります⚠︎
一方で、空き家を何年も管理し続けることだけが正解ではありません。
将来使う予定がないのであれば、
「管理する」「売る」「貸す」「解体する」
のどれが自分たちに合っているのか、早めに考えることが大切です。
空き家は時間が経つほど状態が良くなるものではありません。
今後どうするかまだ決まっていない場合でも、
まずは建物の状態と資産価値を確認して、
家族で今後の方向性を話し合うことから始めてみると良いと思います。
※本記事は2026年10月時点の総務省・国土交通省等の公表情報をもとにした一般的な解説です。
管理不全空家・特定空家の判断、固定資産税、補助制度などは自治体や物件状況によって異なります。
具体的な対応については、空き家所在地の市区町村や不動産会社、専門家等へご確認ください。
