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家を解体する前に知っておきたいこと〜費用・手続き・税金をわかりやすく解説〜

〈 不動産のノウハウ 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。




【はじめに】




古くなった実家や空き家を相続したとき、
「もう住まないし、解体して更地にした方がいいのかな?」と考えることがありますよね。

不動産売却を目的として解体する場合は、
先に壊した方が売りやすいのか、
それとも古家付きのまま売った方がいいのかまで考える必要があります。

解体してしまえば元には戻せません。

そのため、
「古いからとりあえず壊そう」ではなく、
解体費用や税金、売却価格まで比較してから判断することが大切です。






1.住宅の「解体工事」とは?



住宅の解体工事とは、
戸建住宅などの建物を取り壊し、土地を更地にする工事です。

一口に解体といっても、

・木造住宅
・鉄骨造住宅
・鉄筋コンクリート造住宅

では工事方法が異なります。

例えば木造住宅であれば重機を使って比較的解体しやすいケースがありますが、
鉄骨造やRC造では構造が頑丈な分、重機や作業工程が増えることがあります。

さらに、

・住宅本体だけ解体するのか
・ブロック塀も撤去するのか
・庭木や庭石も処分するのか
・物置やカーポートも撤去するのか

によって工事内容は変わります。

見積書を見るときは、
どこまで工事に含まれているのかを確認することが大切です。




2.住宅を解体する理由で多いのは?



住宅解体にはさまざまな理由があります。

例えば、

・老朽化した空き家を処分したい
・相続した実家を売却したい
・古い家を壊して新築したい
・土地だけを売却したい
・倒壊などの危険をなくしたい

といったケースです。

特に近年は、
相続した住宅を利用しないまま空き家にしているケースも増えています。

建物は人が住まなくなると、劣化が進むことがあります。

そのため将来利用する予定がない場合は、

・売却
・賃貸
・リフォーム
・解体

のどれがよいのか早めに考えることが重要です。




3.解体費用は「坪数だけ」では決まらない



ネットでは、
「木造なら1坪○万円」といった情報もよく見かけます。

もちろん建物面積は費用に大きく影響します。

ただし、実際の解体費用は坪数だけで決まるわけではありません。

例えば、

・建物の構造
・前面道路の幅
・重機が入れるか
・隣家との距離
・残置物の量
・アスベストの有無
・ブロック塀
・地中埋設物

などによって金額が変わります。




4.前面道路が狭いと解体費用が高くなることも



解体費用に意外と影響するのが道路条件です。

例えば住宅の前まで大型トラックや重機が入れる場合は、
解体した廃材を効率よく運び出せます。

一方で、

・前面道路が非常に狭い
・敷地まで階段がある
・奥まった場所に家がある

といった場合、
小型重機しか使えなかったり、人力で廃材を運び出したりする必要が出てきます。

作業時間や人件費が増えるため、解体費用が高くなる可能性があります。

不動産でも、
「再建築できるかどうか」だけでなく、
「工事車両が入れるか」は重要なポイントですね。




5.家の中に家具を残したままでも解体できる?



空き家を解体する際によく問題になるのが残置物です。

解体業者に処分をお願いできる場合もありますが、当然その分の処分費用が追加されます。

また家庭から出る一般廃棄物と、
解体工事で発生する産業廃棄物では処理のルールも異なります。

そのため可能であれば、
自分で処分できる家財は解体前に整理することで費用を抑えられる場合があります。

ただし大量の家財がある場合には、
不用品処分業者なども含めて比較するとよいでしょう。




6.今の解体工事で特に重要なのが「アスベスト調査」



住宅解体で現在とても重要なのが石綿です。

アスベストは過去に、建築材料に使用されていました。

現在、建築物を解体・改修する場合は、
原則として工事前に石綿含有の有無を事前調査する必要があります。

また、一定規模以上の工事では調査結果を行政へ報告する義務があります。

建築物の解体工事では、解体部分の床面積合計が80㎡以上の場合、
石綿の有無にかかわらず事前調査結果の報告が必要です。




7.アスベストが見つかると費用が増える?



事前調査によってアスベスト含有建材が確認された場合、
通常の解体とは異なる方法で除去する必要があります。

例えば、

・飛散防止
・養生
・専用の保護具
・適切な廃棄処理

などが必要になるため、追加費用が発生することがあります。

特に築年数が古い住宅を売却する場合は、
解体費用に余裕を持って考えておく方が安心です。




8.80㎡以上の解体工事には建設リサイクル法も関係する



住宅解体では、建設リサイクル法も確認する必要があります。

一定規模以上の建築物解体工事では、

・コンクリート
・木材
・アスファルト

などを適切に分別し、再資源化することが求められます。

一般的な住宅解体では、
床面積80㎡以上の建築物の解体工事が届出対象になる代表的な基準です。

通常は工事を行う解体業者などと確認しながら必要な届出を進めます。

「住宅を壊すだけ」と思っていても、
廃棄物処理やリサイクルまで法律上のルールがあるということですね。




9.解体工事の一般的な流れ



住宅解体は、まず解体業者へ現地調査を依頼するところから始まります。

一般的には、

現地調査
見積り
業者決定
アスベスト事前調査
必要な届出
電気・ガスなどの停止
近隣への挨拶
足場・養生
建物解体
基礎撤去
廃材搬出
整地
完了確認

という流れになります。

建物の規模や構造によって異なりますが、
木造戸建てでは実際の解体工事だけなら数日から数週間程度で終わる場合があります。

ただし、申請や残置物整理などを含めると、それより前から準備が必要です。




10.近隣への挨拶はかなり重要



解体工事では、

・騒音
・振動
・ホコリ
・工事車両

などが発生します。

そのため近隣への説明は重要です。

通常は解体業者が工事前に挨拶を行う場合がありますが、
所有者からも一言伝えておくと印象がよいことがあります。

特に、

・隣家との距離が近い
・住宅密集地
・工事車両が道路を使う

という場合は注意が必要です。

売却後もその地域に住む場合や、隣地所有者との関係が続く場合はなおさらです。




11.解体工事中に「地中埋設物」が見つかることもある



見積りの時点では分からない代表的な追加費用が、地中埋設物です。

例えば、

・古い基礎
・浄化槽
・井戸
・コンクリートガラ
・昔の建物の廃材

などが地中から出てくるケースがあります。

こうした物は建物を壊して地面を掘ってみないと分からないことがあります。

そのため見積書を見る際には、
地中埋設物が発見された場合、どのような料金になるのかを確認しておくと安心です。




12.解体後は「建物滅失登記」が必要



建物を解体した後、そのままにしてはいけません。

登記されている建物を取り壊した場合は、建物滅失登記を行います。

原則として、建物が滅失した日から1か月以内に申請する必要があります。

実務では土地家屋調査士へ依頼することも多いですが、自分で申請することも可能です。

解体業者から、
建物取毀証明書や解体証明書などを受け取り、登記に使用します。

滅失登記をしないと、登記簿上は存在しない建物が残った状態になり、
土地売却や新築時に問題になることがあります。




13.家を解体すると固定資産税が高くなる?



住宅解体で特に注意したいのが土地の固定資産税です。

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」があります。

例えば住宅1戸につき200㎡以下の小規模住宅用地では、
固定資産税の課税標準額が価格の6分の1都市計画税では3分の1となります。

ところが住宅を解体して、翌年1月1日時点で住宅用地ではなくなっている場合、
この特例を受けられなくなる可能性があります。

固定資産税は毎年1月1日の状態を基準に判定されます。
そのため、売却のために解体する場合は工事時期も重要です。




14.「古家付き土地」という売り方もある



不動産売却では、
古家付き土地として販売する方法があります。

これは古い建物が残っている状態で、土地として販売する方法です。

買主が購入後に建物を解体する形であれば、
売主が解体費を先に支払う必要はありません。

一方で買主から、
「解体費用がかかるので、その分価格を下げてほしい」という交渉が入ることもあります。

売主負担で壊すのか、解体相当額を価格に反映するのか、比較して考えましょう。





15.解体業者は価格だけで選ばない



解体工事は金額が大きいため、
「一番安い会社にお願いしたい」と思いますよね。

ただし価格だけで選ぶのはおすすめできません。

確認したいのは、

 ・見積書が細かい
・追加料金の条件が明確
・廃棄物を適切に処理している
・必要な許可・登録がある
・アスベスト対応ができる
・近隣対応をしてくれる

といった部分です。

複数社から見積りを取り、
金額だけでなく工事内容を比較することが大切です。




16.解体後の土地はどこまできれいになる?



「更地渡し」と聞くと、完全にきれいな土地を想像しますよね。

ただし解体後の仕上がりにも違いがあります。

通常の住宅解体後であれば、基礎を撤去して土地を平らにならすことが多いですが、

どの程度まで整えるのかは業者との契約内容によります。

土地売却を予定している場合は、不動産会社とも相談して、
買主に引き渡せる状態までどこまで整地するのかを決めておきましょう。




17.住宅解体前に確認したいチェックポイント



解体を決める前には、次のような内容を確認しておくと安心です。

◯本当に解体した方が売却しやすいか

・建物の構造・延床面積
・アスベストの可能性
・残置物の量
・前面道路・重機の進入
・ブロック塀・庭木・物置などの撤去範囲
・地中埋設物の追加費用
・固定資産税への影響
・解体補助金の有無
・建物滅失登記
・売却時期

特に売却目的なら、
解体費用と売却価格の上昇額を比較することがポイントです。

例えば解体に200万円かかっても、
売却価格が100万円しか上がらないのであれば、先に解体するメリットは小さくなります。




【まとめ】


住宅の解体について調べてみると、
建物を壊すだけの工事ではないということが分かります。

実際には、

・アスベスト調査
・廃棄物処理
・行政への届出
・近隣対応
・ライフライン
・固定資産税
・滅失登記

など、さまざまな手続きや費用が関係します。

特に現在は、解体・改修工事を行う際の石綿事前調査が重要になっており、
床面積80㎡以上の建築物の解体工事では調査結果の報告も必要です。

そして不動産売却を目的としている場合に、一番気をつけたいのが、
「先に壊してしまうこと」です。

古家付き土地として売った方がよい場合もあれば、
建物を残した方が購入者の選択肢が広がる場合もあります。

また解体後は、土地の住宅用地特例が適用されなくなり、
翌年度以降の固定資産税等が上がる可能性もあります。

住宅用地かどうかは原則として毎年1月1日の状態で判断されます。

①現状のまま査定
②解体費用を確認
③更地にした場合の査定
④税金や売却時期を比較
⑤解体するか決定

という順番で考えるのがおすすめです。

古い住宅でも、そのまま売れる可能性があります‼︎

逆に建物状態が悪く、土地需要が高い場所なら、
更地にすることで売却しやすくなるケースもあります。

住宅解体で後悔しないためには、

「いくらで壊せるか」だけではなく、
「壊した後にどうするのか」まで先に考えることが大切です。


※本記事は2026年9月時点で確認できる公的情報をもとにした一般的な解説です。
解体に必要な届出、アスベスト対応、補助制度、固定資産税の取り扱いなどは建物や自治体によって異なります。

実際に解体する際は、解体業者・自治体・不動産会社・土地家屋調査士などへ個別にご確認ください。

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