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売主が注意すべき契約条項とトラブル事例

〈 家・土地 売却 〉

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。

売主が注意すべき契約条項とトラブル事例

ー「知らなかった」では済まされない不動産売却の落とし穴ー





【はじめに】



不動産を売却する際、

多くの方がこう考えます。


「契約書は不動産会社が作るから大丈夫」

「買主側の注意点の方が多いのでは?」


しかし実務の現場では、
売主側の思い込みや確認不足が原因で

トラブルになるケース

非常に多くあります。


不動産売買契約書は、
買主を守るためだけのもの

ではありません。


同時に、

売主の責任や義務を明確に定める書類

でもあります。


この記事では、


  • ・売主が特に注意すべき契約条項

  • ・実際によくあるトラブル事例

  • ・トラブルを防ぐための考え方


を解説します。







売主が陥りやすい3つの誤解

まず、

売主がよく抱きがちな誤解を

整理しておきましょう。



⚪️ 誤解①「引き渡したら責任は終わり」

→ 間違いです。


契約内容によっては、
引き渡し後も売主の責任が残るケース

があります。



⚪️ 誤解②「知らなかったことは責任にならない」

→ これも危険です。


「知らなかった」こと自体が、
責任を免れる理由にならない場合

があります。



⚪️ 誤解③「不動産会社が全部チェックしてくれる」

→ 過信は禁物です。


最終的に契約当事者となるのは、
売主本人です。






注意すべき契約条項①契約不適合責任

中古住宅の売却で、

売主にとって最も大きなリスクになりやすいのが
契約不適合責任です。


これは簡単に言うと、


「引き渡した物件が「契約内容と違う状態」だった場合、

売主が責任を負う」


というルールです。



ポイントは

「欠陥があるかどうか」ではなく、
“契約と違っていたかどうか” 

で判断される点です。


つまり、

売主が「悪気がない」「知らなかった」と言っても、
契約内容次第で責任が生じる可能性

があります。



契約不適合責任が問題になると、

買主は主に次の請求をしてきます。




  • ⚪️ 追完請求(修理して)

     例:給湯器交換、漏水修理、屋根・外壁補修




  • ⚪️ 代金減額請求(値引きして)


     例:修理費相当額の減額




  • ⚪️損害賠償請求(費用を払って)


     例:応急処置代、調査費、仮住まい費用の一部など




  • ⚪️ 契約解除(重大ならやめたい)


     ※現実にはハードル高いですが、

      ゼロではありません



売主側から見ると、
「修理費だけ」では終わらず、

交渉・時間・精神的負担も大きくなります。



◯ よくある不適合の例


  • ・雨漏り

  • ・シロアリ被害

  • ・給排水管の故障

  • ・建物の傾き

  • ・地中埋設物(古い基礎、ガラなど)


特に注意が必要なのは、
引き渡し後に発覚するケースです。




⚪️「知らなかった」でも責任が出るの?


結論としては、
契約内容次第で知らなかった

でも責任が出ます。


ただし、

売主を守る手段はあります。


それが次の2つです。


  1. ・正しく告知する(知っていることは書く)

  2. ・契約で責任範囲を調整する(免責・期間・対象)


この2つが整っていると、
「想定外の請求」をかなり減らせます。




⚪️トラブル事例①


「住んでいて問題なかった雨漏り」


売主:「自分たちが住んでいる間は大丈夫だった」
買主:「大雨の日に雨漏りが発覚」


→ 結果:
契約書に免責がなく、
修理費用を売主が負担することに。


「今は大丈夫」=「問題がない」
とは限らない点に注意が必要です。




⚪️売主がやるべき「契約前チェック」5つ


  1. ・知っている不具合は全部書く(告知書)

  2. ・設備の動作確認(可能なら動画)

  3. ・床下点検口・天井点検口があるか確認

  4. ・雨漏り・シロアリ・配管の簡易点検を検討

     (費用対効果が高い)

  5. ・免責範囲・期間を“数字と言葉”で明確にする


これだけで、

契約不適合責任の事故確率は

大幅に下がります。






注意すべき契約条項②契約不適合責任の免責・期間

多くの中古住宅では、

  • ・契約不適合責任を一部免責

  • ・責任期間を「引き渡しから◯ヶ月」に限定

するケースがあります。


ここで重要なのは、

  • ・どこまで免責されているのか

  • ・期間はいつまでか


を正確に理解しておくことです。


よくある勘違い

  • 「免責と書いてあるから全部責任なし」

  • 「期間が短いから安心」


実際には、
免責の対象外になっている項目も多く、
完全に責任がなくなるわけでは

ありません。







注意すべき契約条項③告知義務

売主には、
告知義務があります。


これは、


買主の判断に影響を与える事実は、

事前に伝えなければならない


という義務です。


告知漏れがあると、

買主から次のような主張が出ます。



  • ⚪️損害賠償

    (引越費用、ホテル代、調査費、リフォーム費の一部などを請求されることも)



  • ⚪️代金減額

    (「告知されていたらこの価格では買わなかった」)



  • ⚪️契約解除

    (重大で、居住が難しい・購入目的が達成できない場合など)


また、

金額だけでなく
時間(対応・交渉・弁護士相談)と
精神的負担がかなり大きいです。



告知が必要な例


  • ・過去の事故・事件

  • ・近隣トラブル

  • ・騒音・振動問題

  • ・境界トラブル

  • ・建物の不具合履歴




⚪️ トラブル事例②


「言わなくてもいいと思っていた近隣トラブル」


売主:「もう解決しているから言わなかった」
買主:「入居後に同じトラブルが再発」


→ 結果:
「重要な告知義務違反」と判断され、
損害賠償請求に発展。


「解決済み」「昔の話」でも、
買主の判断に影響するなら

告知が必要です。







注意すべき契約条項④引き渡し条件・現状有姿

売買契約では、
「現状有姿(げんじょうゆうし)」
という言葉がよく使われます。


現状有姿とは、

契約時点の状態のまま引き渡す

(売主は原則として修理・改修を行わない)

という意味です。



重要なのは、
「現状有姿=売主の責任ゼロ」ではない
という点です。


現状有姿はあくまで
「引き渡し時の状態」を定めているだけで、


  • ・契約不適合責任

  • ・告知義務


を自動的に消す魔法の言葉では

ありません。



守られやすい部分


  • ・経年劣化(古さ・使用感)

  • ・軽微な傷・汚れ

  • ・機能低下が予測できる消耗品


「築年数相応」「中古として当然」
と評価される部分。



⚠︎注意点


  • ・撤去するもの/残すもの

  • ・設備の動作確認

  • ・不要物の処分範囲


これらを曖昧にすると、
引き渡し直前・直後に

揉めやすくなります。





⚪️トラブル事例③


「残すと思っていた設備が撤去されていた」


売主:「使わないから撤去した」
買主:「付いてくると思っていた」


→ 結果:
契約書の記載が曖昧で、
売主負担で復旧することに。







注意すべき契約条項⑤引き渡し遅延・違約金

売主側の事情で、


  • ・引っ越しが間に合わない

  • ・抵当権抹消が遅れる

  • ・書類準備が遅れる


といったケースもあります。



契約書には、


  • ・引き渡し期日

  • ・遅れた場合の違約金


が明記されています。



⚪️ トラブル事例④


「数日遅れただけのつもりが…」


売主:「数日なら問題ないと思った」
買主:「引っ越し・ローン実行に影響」


→ 結果:
違約金や損害賠償請求が発生。


「少しぐらい」は通用しないのが契約です。






売主がトラブルを防ぐために大切な考え方

⚪️ 不利なことほど先に出す


隠すより、
先に説明して条件に落とす方が安全です。




⚪️「書いていないこと」は起きやすい


口頭説明ではなく、
契約書・付帯設備表に残すことが

重要です。




⚪️ 不安な点は「質問していい」


売主であっても、
契約内容を理解する義務があります。






【まとめ】





不動産売却では、


  • ・高く売ること

  • ・早く売ること


に目が行きがちですが、
一番大切なのは

安全に終わらせること」です。


契約条項を正しく理解し、


  • ・何に責任があるのか

  • ・どこまで責任を負うのか


を把握しておくことで、
売却後のトラブルは大きく減らせます。


不動産売却は、
売ったあとこそ差が出る取引です。


「知らなかった」では済まされないからこそ、
契約書は“形式”ではなく
自分を守るための書類として

向き合いましょう。






 

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