
不動産買取は相場の7~8割?価格が安くなる理由と査定の仕組み
【 はじめに 】
家や土地、マンションを売却しようと調べていると、
「不動産買取」という売却方法を目にすることがあります。
不動産買取とは、不動産会社が買主となり、物件を直接購入する方法です。
そこで気になるのが、
「不動産買取の相場はどれくらい?」
「仲介価格の何割くらいで買い取ってもらえる?」
「買取価格はどうやって決まる?」
「少しでも高く買い取ってもらう方法はある?」
という点ではないでしょうか。
不動産買取には、
「市場価格の○%で買い取らなければならない」といった一律のルールがあるわけではありません。
物件の立地や築年数、建物の状態、リフォーム費用、再販売するときの価格、不動産会社の販売力などによって、
同じ物件でも買取価格が変わることがあります。
そのため、なぜその査定額になったのかを知ることが大切です。
今回は、不動産買取の相場や価格の決まり方、買取のメリット・デメリット、少しでも高く売るためのポイントまで、
分かりやすくまとめていきます。

1.「不動産買取」とは?
不動産買取とは、不動産会社が売主から土地・戸建・マンションなどを直接購入する方法です。
通常の仲介では、
売主 → 不動産会社が買主を探す → 一般の買主へ売却
という流れになります。
一方、不動産買取では、
売主 → 不動産会社へ直接売却
というシンプルな取引になります。
買取の場合、不動産会社自身が買主になるため、
一般の購入希望者を探すための広告活動や内覧を繰り返す必要がありません。
「できるだけ早く現金化したい」という方にとっては、非常に使いやすい売却方法です。
2.不動産買取の相場は仲介価格の何割くらい?
不動産買取について調べると、
「仲介で売れる価格の7~8割程度」
という目安を目にすることがあります。
確かに、一般的な中古住宅やマンションでは、それくらいの水準になるケースがあります。
例えば、仲介で3,000万円程度の成約が期待できる物件の場合、
・70%なら約2,100万円
・80%なら約2,400万円
というイメージです。
ただし、ここはかなり重要なのですが、「買取価格は必ず市場価格の7割」という決まりはありません。
つまり、「仲介価格の○割」という数字はあくまで目安です。
不動産買取の本当の相場を知るには、
その物件を再販売するといくらで売れそうなのかを考える必要があります。
3.なぜ不動産買取は仲介より安くなるの?
不動産会社は物件を買い取った後、そのまま保有するとは限りません。
多くの場合、
物件を購入 → リフォーム・整備 → 再販売
という流れになります。
例えば、
中古マンションを2,000万円で買い取った不動産会社が、室内をリフォームして2,800万円で販売するとします。
「800万円も利益があるの?」
と思うかもしれませんが、実際にはそこからさまざまな費用がかかります。
仮に再販売価格が3,000万円だとしても、
そこから500万円のリフォーム費用や各種経費がかかれば、3,000万円で買い取ることはできません。
不動産買取価格が市場価格より低くなりやすいのは、
こうした再販売までに必要な費用とリスクを先に差し引く必要があるためです。
4.同じ物件でも会社によって買取価格が違う理由
ここは、不動産買取でとても大切なポイントです。
例えば、A社の買取価格が2,000万円、B社が2,300万円、C社が2,500万円になることもあります。
なぜなら、不動産会社によって「その物件をどう販売するか」が違うからです。
例えば、
戸建の再販売が得意な会社、マンションリノベーションが得意な会社、土地として再販売する会社、
収益物件として保有する会社などがあります。
地元で多くの顧客を持っている会社であれば、
「買い取った後、すぐに購入してくれそうなお客様がいる」というケースもあります。
販売リスクが低くなれば、その分高い金額で買い取れる可能性があります。
つまり、不動産買取では、
「どの会社に査定してもらうか」によって価格が大きく変わることがあります。

5.買取価格が高くなりやすい物件とは?
買取価格が比較的高くなりやすいのは、再販売しやすい物件です。
例えば、
・駅から近い
・人気の学校区
・日当たりがよい
・駐車場がある
・築年数が比較的新しい
・マンションの管理状態がよい
・リフォーム費用が少ない
・需要の高い間取り
といった物件です。
不動産会社の立場からすると、
「この物件なら買い取った後、比較的早く売れる」と判断できれば、販売リスクが小さくなります。
その結果、買取価格にも反映しやすくなります。
6.反対に買取価格が下がりやすい物件
反対に、再販売に費用や時間がかかる物件は買取価格が低くなる傾向があります。
例えば、
・建物の傷みが激しい
・雨漏りがある
・シロアリ被害がある
・古い耐震基準の建物
・再建築できない
・接道条件が悪い
・高低差や擁壁がある
・残置物が大量にある
・告知事項がある
などです。
ただし、こうした物件こそ、
一般の買主への仲介よりも買取が向いているケースがあります。
一般の方にとっては購入しにくい物件でも、
不動産会社であれば、解体、リフォーム、測量、造成などを行ったうえで再販売できるからです。
7.不動産買取の最大のメリットは「早さ」
不動産買取の大きなメリットは、売却までのスピードです。
仲介の場合は、
査定
↓
媒介契約
↓
販売開始
↓
内覧
↓
価格交渉
↓
売買契約
↓
住宅ローン審査
↓
決済・引渡し
という流れになります。
買主が見つかるまで数か月かかることもあります。
一方、買取なら、
不動産会社が価格を提示し、売主が条件に合意すれば売買契約へ進めます。
そのため、
「相続した家を早く処分したい」
「住み替え資金が必要」
「離婚で自宅を売却したい」
「住宅ローンの返済が厳しい」
といった方には、買取のスピードが大きなメリットになります。
8.仲介手数料がかからない場合が多い
不動産会社が直接買主になる買取では、
通常、売主と買主の間を仲介する会社がいないため、仲介手数料が発生しない取引があります。
これは買取の大きな特徴です。
一方、仲介で売却する場合は、
不動産会社と媒介契約を結んで販売活動を依頼するため、成約時に仲介手数料が発生します。
ただし、買取でも別の仲介会社が間に入る場合は仲介手数料が発生する可能性があります⚠︎
「買取だから必ず仲介手数料ゼロ」と決めつけず、査定時に確認しましょう。
9.家財道具を残したまま買い取ってもらえることもある
相続した実家などでは、
家具、家電、衣類、食器、布団などが大量に残っていることがあります。
仲介で一般の買主へ売却する場合は、
通常、売主側で荷物を撤去してから引き渡すことが多いです。
一方、買取会社によっては、
残置物をそのまま残して引き渡せるケースがあります。
売主にとっては、家財整理業者を手配する時間や費用を減らせます。
ただし、その処分費用が買取価格へ反映されている場合もあるため、
「自分で処分した場合」
「残したまま売却した場合」
の手取り金額を比較するとよいでしょう。
10.不動産買取にもデメリットがある
買取の最大のデメリットは、やはり売却価格です。
市場で時間をかけて一般の購入希望者を探す仲介に比べ、
不動産会社がリスクを負って先に買い取るため、価格は低くなりやすくなります。
例えば、
仲介なら3,000万円で売れる可能性がある物件を、買取なら2,300万円で売ることになったとします。
差額は700万円です。
「早く売れるなら700万円安くてもよい」という方もいれば、
「半年待ってでも高く売りたい」という方もいます。
買取が得か損かは、価格だけではなく、売却にかけられる時間や売主の事情によって変わります。
11.買取以外にはどんな売却方法がある?
不動産を売却する方法は、買取だけではありません。
◯ 仲介
最も一般的なのが、不動産会社へ販売を依頼して一般の買主を探す方法です。
時間はかかる可能性がありますが、市場価格に近い金額で売却できる可能性があります。
◯ 買取保証
一定期間は仲介で販売し、売れなかった場合に、
不動産会社があらかじめ決めた金額で買い取る方法です。
例えば、
「3か月間は3,000万円で仲介販売し、売れなければ2,300万円で買取」
というような仕組みです。
高値売却の可能性を残しながら、最終的な売却価格と期限をある程度決められるのがメリットです。
◯ 不動産オークション・入札方式
複数の購入希望者や不動産会社から購入条件を募り、最も条件のよい買主へ売却する方法もあります。
特に事業用地や収益物件などでは利用されることがあります。
12.「仲介と買取の両方を査定する」のがおすすめ
どちらにするか迷っている場合、最初から一つに決める必要はありません。
おすすめなのは、
仲介査定価格と買取価格の両方を確認することです。
例えば、
仲介査定:3,200万円
買取査定:2,700万円
だったとします。
差額は500万円です。
売却期限に余裕があるなら、まず3,200万円前後で仲介販売を行う方法があります。
一方、
「1か月以内に売却したい」という事情があるなら、2,700万円での買取も現実的な選択になります。
価格差を具体的に確認すれば、自分に合った方法を選びやすくなります。
13.少しでも高く買い取ってもらうためには?
不動産買取で少しでも高い金額を目指すなら、複数の不動産会社から査定を取ることが重要です。
買取価格は会社ごとに違います。
特に、その地域での売買実績が多い会社は、
周辺の相場や購入希望者を把握しているため、高く評価できる場合があります。
また、査定を依頼するときには、
「なぜこの金額になったのか」を確認しましょう。
例えば、
「リフォーム費用を600万円で見ています」と言われた場合,
別の会社では400万円で工事できる可能性があります。
その差が買取価格に反映されることもあります。
単純に金額だけを見るのではなく、査定の根拠まで確認すると比較しやすくなります。
14.住宅ローンが残っていても買取できる?
住宅ローンが残っていても、不動産を買い取ってもらうことは可能です。
ただし、原則として決済時に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する必要があります。
例えば、
住宅ローン残高:2,000万円
買取価格:2,500万円
であれば、売却代金から住宅ローンを完済できる可能性があります。
一方、
住宅ローン残高:3,000万円
買取価格:2,500万円
では500万円不足します。
この場合は自己資金を用意する、任意売却を検討するなど別の対応が必要になる可能性があります。
住宅ローンが残っている場合は、査定依頼前に現在の残高を確認しておきましょう。
15.買取でも売却後の税金は確認が必要
不動産会社への買取だからといって、売却時の税金が特別になくなるわけではありません。
不動産を売却して利益が出た場合は、譲渡所得が発生する可能性があります。
また、不動産を相続して売却する場合、原則として被相続人が購入したときの取得費や取得時期を引き継ぎます。
取得費が分からない場合は、一定の条件で売却金額の5%相当額を取得費とする方法もあります。
相続税を支払っているケースでは、
一定期間内の売却について相続税の一部を取得費へ加算できる特例もあります。
そのため、「買取価格=そのまま手元に残る金額」ではないことも覚えておきましょう。

【まとめ】
不動産買取では、「仲介で売れる価格より低くなる」というイメージがあります。
実際、買取会社は物件を購入した後に、
リフォームや販売、税金、保有コストなどを負担するため、仲介より買取価格が低くなる傾向があります。
ただし、買取価格には一律の決まりがあるわけではありません。
物件の立地や状態だけでなく、その不動産会社がどのように再販売できるかによっても価格は変わります。
そのため、
「相場の7割だから妥当」ではなく、
仲介ならいくらで売れそうなのか、買取ならいくらなのか、
売却までにどのくらい時間がかかるのかを比較することが重要です‼︎
早さを優先するなら買取、価格を重視するなら仲介、
両方を取りたいなら買取保証という選択肢もあります。
不動産売却は、一番高い査定額を選ぶことより、自分の売却理由や期限に合った方法を選ぶことが大切です❇︎
