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家の断熱性能はどこを見る?断熱等級・UA値・窓性能を初心者向けにわかりやすく解説

藤原 栞里

筆者 藤原 栞里

【ポジティブが取り柄の総務担当】
不動産知識ゼロからスタートし、「自分が疑問に思ったことをそのまま記事にする」スタンスで毎日ブログを執筆中‼︎難しい売却の話も、同じ目線でわかりやすくお伝えします。




【はじめに】



こんにちは。

新築住宅や注文住宅を見ていると、
「断熱等級6」
「UA値0.46」
「高断熱仕様」
「ZEH水準」
など、いろいろな言葉を目にしますよね。

家の断熱性能は、
冬の暖かさや夏の暑さだけでなく、冷暖房効率や光熱費、
部屋ごとの温度差など、毎日の暮らしやすさにも関係する大切な性能です。

これからの家づくりでは、
「断熱性能は気にする人だけが見るもの」ではなく、
住宅選びの基本項目の一つになっています。

そこで今回は、家の断熱性能はどこを見ればいいのか、断熱等性能等級について
私なりにできるだけ分かりやすく整理していきます。





1.そもそも家の「断熱性能」とは?



断熱性能を簡単にいうと、
外の暑さ・寒さを室内へ伝えにくくし、
室内の暖かさ・涼しさを外へ逃がしにくくする性能です。

例えば冬に暖房をつけても、
壁や床、窓からどんどん熱が逃げてしまえば、部屋はなかなか暖まりません。
反対に断熱性能が高い家では、暖房で温めた空気を室内に保ちやすくなります。

夏も同じで、外の熱が室内へ入りにくければ、冷房効率を高めやすくなります。



2.断熱性能を見るなら、まず「断熱等性能等級」



住宅の断熱性能を比較するときに分かりやすい指標が、断熱等性能等級です。

現在は、等級1〜等級7まで設定されています。

基本的には、
数字が大きいほど断熱性能が高いです。

住宅性能表示制度では、
等級4が省エネ基準相当、等級5が誘導基準・ZEH水準、
さらに高性能な等級6・7が設定されています。



3.断熱等級1〜4はどう違う?



まず昔からある等級を簡単に見てみます。

等級1は、特別な断熱基準を満たしていない住宅も含まれる基本的な水準です。
等級2は、おおむね1980年頃の省エネ基準に相当する水準。
等級3は、おおむね1992年頃の基準。

そして等級4は、
2016年省エネ基準相当の断熱性能です。

中古住宅を見るときには、
建築時期によってどの程度の断熱性能が期待できるかを考える一つの目安になります。

ただし築年数だけでは実際の性能は判断できないため、
断熱改修歴なども確認したいですね。



4.2025年から新築住宅は省エネ基準への適合が義務化



ここは現在の家づくりで非常に重要です。

2025年4月から、原則としてすべての新築住宅・非住宅について、
省エネ基準への適合が義務付けられています。

断熱性能でいうと、基本となるのが等級4相当の水準です。

ただし、
「新築なら断熱性能は全部同じ」というわけではありません。

最低基準が決められたということで、
等級5・等級6・等級7など、さらに高い性能を選ぶこともできます。

家づくりでは、
基準をクリアしているかだけでなく、
自分たちはどの程度の性能を求めるのかまで考える時代になってきています。



5.断熱等級5とは?



断熱等級5は、ZEH水準としてよく紹介される性能です。

国土交通省では、等級5を誘導基準・ZEH要件に相当する断熱水準としています。

例えば地域区分6の場合、UA値0.60以下が基準の一つです。

新築住宅で、
「ZEH水準の断熱性能です」と説明された場合には、
断熱等級5相当かどうかを確認してみましょう。



6.断熱等級6はかなり高性能



等級6になると、等級5よりさらに断熱性能が高くなります。

例えば地域区分6の場合、UA値0.46以下が一つの基準です。

断熱等級6になると、
・壁
・屋根
・床
・窓

などを全体的に高性能化する必要があり、
一般的な省エネ住宅より一段高い水準になります。



7.断熱等級7は現在の最高等級



断熱等性能等級では、等級7が最高等級です。
等級7は「熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている」水準としています。

例えば地域区分6の場合、UA値0.26以下が基準です。

UA値は小さいほど断熱性能が高いということですね。



8.そもそも「UA値」って何?



断熱について調べると必ず出てくるのが、UA値です。

UA値とは、外皮平均熱貫流率のことです。

かなり難しい名前ですが、簡単にいうと、
家の中の熱が外へどれくらい逃げやすいかを表す数値です。

UA値は室内と外気の熱の出入りのしやすさを示し、
数値が小さいほど熱が出入りしにくく、断熱性能が高いと言われています。



9.断熱等級は地域によって基準が違う



少しややこしいのですが、断熱性能の基準は全国一律ではありません。

日本は、地域によって気候が大きく違います。

そのため全国を、
1〜8の地域区分に分けて基準を設定しています。

例えば同じ等級6でも、北海道のような寒冷地と、
東京・大阪など比較的温暖な地域では求められるUA値が違います。



10.大阪周辺では地域区分も確認



家を建てるときは、
「断熱等級6だからUA値はいくつ」
と全国共通で決まっているわけではありません。

市町村ごとに地域区分があります。

そのため、土地が決まったら、
その地域が何地域なのかを確認したうえで性能を見る必要があります。

住宅会社に、
「この地域では等級6のUA値はいくつですか?」と聞いてみると分かりやすいですね。



11.断熱材だけ良ければ高断熱になるわけではない



家の断熱性能と聞くと、
「壁の中にどんな断熱材を入れるか」を考えますよね。

もちろん断熱材は重要です。

しかし家全体では、
・屋根
・天井
・外壁
・床
・基礎
・窓
・玄関ドア
など、いろいろな場所から熱が出入りします。

そのため、
壁だけ高性能な断熱材でも、
窓が低性能なら家全体の断熱性能は下がります。

断熱性能は、家全体で考えることが重要です。



12.実は「窓」がかなり重要



断熱住宅について勉強すると、特に重要だと感じるのが、窓です。
窓は壁と比べると熱が出入りしやすい部分です。

そのため、
サッシやガラスの性能によって室内環境が変わります。

例えば、
・アルミサッシ
・アルミ樹脂複合サッシ
・樹脂サッシ
などがあります。

高断熱住宅では、壁だけでなく窓性能まで確認したいですね。



13 .大きな窓は断熱とのバランスも必要



最近は、
・大きな掃き出し窓
・天井近くまである窓
など、開放感のある住宅が人気です。

ただ、窓面積が増えると、熱が出入りする面積も増える可能性があります。

そのため、大きな窓を採用する場合ほど、
高性能サッシや高性能ガラスとの組み合わせが重要になります。



14.夏は日差しを遮ることが大切



冬は日射がありがたいですが、夏は逆です。

特に、
西日が強く入ると、室内が暑くなりやすくなります。

そのため、
・軒
・外付けブラインド
・シェード
などを利用して、夏の日射を外側で遮ることも重要です。

高断熱住宅ほど、
一度入った熱が外へ逃げにくくなるため、日射対策も一緒に考えたいですね。



15.「断熱」と「気密」は別物



家づくりでよく一緒に出てくるのが、断熱や気密です。

断熱は、熱を伝えにくくする性能。
気密は、家の隙間を少なくする性能です。

どれだけ断熱材をしっかり入れても、家に隙間が多ければ、
暖かい空気や冷たい空気が出入りします。

つまり高断熱住宅を考えるなら、
断熱性能だけでなく、気密性能も確認したいところです。



16.高断熱住宅は冬に暖かい?



一般的には、断熱性能が高いほど、
室内の熱が外へ逃げにくくなるため、暖房効率を高めやすくなります。

ただし、
断熱等級7なら暖房なしで冬も暖かいという意味ではありません。

正確には、
少ないエネルギーで快適な温度を維持しやすいと考える方が分かりやすいです。



17.部屋ごとの温度差を抑えやすい



断熱性能が高い家では、
リビングは暖かいけれど廊下は極端に寒いといった温度差を抑えやすくなります。

例えば冬場、
リビングや廊下、洗面所の温度差が小さくなると、
家の中を移動したときの不快感も減ります。

特に、脱衣所やトイレなど、
長時間暖房を使わない場所の寒さを考えるうえでも断熱性能は重要です。



18.高断熱にすると建築費は上がる?



一般的には、
・断熱材を厚くする
・高性能な窓を使う
・高性能な玄関ドアを採用する
などによって、建築費が上がる可能性があります。

例えば、
等級4→等級5
等級5→等級6
と性能を高めるほど、仕様変更が必要になることがあります。

そのため、
建築費と将来の快適性・光熱費のバランスを考えることが大切です。



19.「最高等級だから一番いい」とは限らない



予算に余裕があれば、等級7を目指すこともできます。

ただし住宅は、
断熱性能だけで決まるわけではありません。

家づくりでは、
・耐震
・断熱
・間取り
・設備
・予算
のバランスが大切です。



20.住宅会社によって「標準の断熱性能」が違う



注文住宅では、
住宅会社A 標準等級5
住宅会社B 標準等級6
というように違うことがあります。

そのため価格を比較するときは、
坪単価だけを見るのではなく、
どの断熱性能まで標準仕様に含まれているのかを確認した方が分かりやすいです。

安く見えても、
高断熱仕様に変更すると追加費用ということもあります。



21.「断熱等級○相当」という言葉にも注意



広告などで、
断熱等級6相当という表現を見ることがあります。

この場合、
・住宅性能評価を取得して正式に等級6なのか
・仕様上は等級6水準を想定しているのか
確認してみるとよいでしょう。

例えば、
・UA値はいくつか
・住宅性能評価書を取得するか
まで聞くと具体的です。



22.住宅性能評価書があれば確認しやすい



住宅性能表示制度を利用した住宅では、
住宅性能評価書によって、断熱等性能等級を確認できます。

住宅会社から、
「高断熱住宅です」と言われるより、
等級が明記されている方が客観的に比較しやすいですよね。

将来売却するときにも、住宅性能を説明する資料の一つになります。



23.中古住宅は窓だけ断熱改修する方法もある



中古住宅の断熱リフォームで比較的取り組みやすいのが、窓です。

例えば、
・内窓を追加
・複層ガラスへ交換
・サッシ交換
などがあります。

家全体を断熱改修するのは大掛かりですが、
熱の出入りが大きい窓から改善する方法もあります。



24.床・基礎の断熱も確認したい



冬に「足元が寒い」と感じる住宅があります。
そのため、床断熱や基礎断熱なども重要です。

壁や窓だけではなく、
家を包む部分全体を断熱することで、室内環境を整えやすくなります。

住宅会社によって、
床断熱や基礎断熱の考え方が違うため、聞いてみるのも面白いですね。



25.断熱性能は「夏」も大切



断熱というと、冬の寒さ対策をイメージします。

でも大阪のように夏が暑い地域では、夏の暑さ対策も重要です。

断熱性能を高め、
窓からの日射を抑えることで、冷房効率を高めやすくなります。

特に、
・西側の窓
・大きな南窓
は日射対策まで考えたいところです。



35.断熱性能を上げるなら換気計画も大切
住宅は、
断熱
気密
だけでなく、
換気
も重要です。
家の隙間が少ないほど、
計画的に空気を入れ替える
ことが大切になります。
24時間換気設備には、
第一種換気
第三種換気
などがあります。
住宅会社によって採用方式が違うため、
断熱性能と合わせて確認してみましょう。
36.断熱性能は将来の資産価値にも関係する?
今後は住宅の省エネ性能が、
中古住宅の評価
でも重要になる可能性があります。
すでに建築物の販売・賃貸時には、省エネ性能を表示する制度が整備されています。国土交通省では断熱性能などを多段階で表示する仕組みを設けています。国土交通省
そのため新築時に性能を証明できる資料を残しておくことは、
将来売却するときにも役立つ可能性があります。
37.注文住宅で住宅会社に聞いてみたいこと
断熱性能について住宅会社へ相談するなら、
「断熱性能は高いですか?」
だけではなく、
具体的に聞いてみるのがおすすめです。
例えば、
- 断熱等性能等級はいくつか
- UA値はいくつか
- 地域区分はいくつか
- 標準仕様の窓は何か
- サッシは樹脂か複合か
- ガラスはLow-E複層かトリプルか
- 壁の断熱材は何か
- 屋根・天井の断熱方法
- 床断熱か基礎断熱か
- 気密測定をするか
- 住宅性能評価を取得するか
ここまで確認すると、住宅会社ごとの違いが見えやすくなります。
38.モデルハウスでは「暖かい・涼しい」だけで判断しない
モデルハウスへ行くと、
「この家すごく暖かい!」
と感じることがあります。
でもモデルハウスは、
エアコンが常時稼働
人が多い
日当たりが良い
など、普段の住宅とは条件が違う場合があります。
そのため体感だけでなく、
断熱等級
UA値
窓仕様
など、
数字でも確認
することをおすすめします。
39.断熱等級は「数字が大きいほど良い」でまず覚える
いろいろ数字が出てきて難しく感じますが、初心者ならまず、
断熱等級は数字が大きいほど高性能
と覚えるだけでも十分です。
そして、
UA値は逆に、
数字が小さいほど高性能
です。
等級6・7のような高性能住宅を検討するときは、
UA値
窓
気密
まで見る。
この順番で覚えると分かりやすいですね。
40.家づくりで断熱性能を確認するチェックポイント
最後に整理すると、家の断熱性能を見るときには、
- 断熱等性能等級
- UA値
- ηAC値
- 地域区分
- 窓・サッシ
- ガラス
- 壁の断熱材
- 屋根・天井の断熱
- 床・基礎の断熱
- 日射対策
- 気密性能
- 換気方式
- 住宅性能評価書
などを確認すると分かりやすいです。
全部を自分で計算する必要はありません。
住宅会社に、
「この家の断熱等級とUA値を教えてください」
と聞くところから始めるだけでも、家づくりの見方がかなり変わります。



まとめ|断熱性能は「等級」だけでなく、家全体で見る


家の断熱性能を調べてみると、単純に断熱材を厚くすれば良いという話ではないことが分かります。
断熱等性能等級やUA値はもちろん、
窓
屋根
床
日射
気密
換気
まで含めて、家全体で性能を考えることが大切です。
2025年4月からは原則すべての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられていますが、これはあくまで一つの基準です。さらに高い断熱等級5・6・7を選ぶこともできます。国土交通省
だからこそ家づくりでは、
「基準を満たしているか」だけでなく、「自分たちがどの程度の快適性を求めるのか」
を考えることが大切です。
断熱性能を高めれば建築費が上がる場合もあります。
一方で、冷暖房効率や室内の温度差など、住んでから感じる部分にも関係します。
住宅会社を比較するときは価格や間取りだけでなく、
断熱等級・UA値・窓仕様まで一度確認してみる。
それだけでも、長く快適に暮らせる家を選ぶための大きな判断材料になると思います。